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東レ、オランダの炭素繊維複合材料メーカーを約1230億円で買収

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東レ【3402】は、オランダの炭素繊維複合材料メーカーTenCate Advanced Composites Holding B.V.(以下「TCAC」)の全株式を取得すると発表した。
取得価額は、9億3000万ユーロ(約1230億円)。

世界の炭素繊維事業分野は、航空機用途や風力発電用風車翼用途をはじめとした環境・エネルギー関連用途が需要をけん引し順調に拡大している。
航空機業界では、中・小型の単通路機の需要が大きく伸長しており、今後これらをターゲットにした次世代航空機の開発が本格化することが予想される。生産機数が多い中・小型機には、部材成形の効率化などによりトータルコストダウンが可能となる熱可塑プリプレグの採用が一層拡大していくことが想定されている。

東レは、地球環境問題や資源・エネルギー問題の解決に貢献する「グリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクト」を全社的に推進しているが、その主要な事業の一つとして炭素繊維事業の事業拡大と市場開拓を進めており、既に航空宇宙用途向け炭素繊維事業分野において多くの取引を行っているが、今後更なる拡大が見込まれる航空機用途需要に対応するために、従来の熱硬化プリプレグに加えて、熱可塑プリプレグなどより多様な分野での一層の技術開発と拠点整備が課題となっていた。

TCACは、欧米に主要製造拠点を有するプリプレグメーカーで、TCACの材料は航空宇宙用途において、熱可塑性樹脂及び高耐熱熱硬化性樹脂材料を中心に幅広い採用実績を有している。特に熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維基材のグローバルリーディングカンパニーである
東レは、TCACが得意とするこのような製品群に対し、東レが強みを有する幅広い炭素繊維技術や、ポリマー技術など投入することで、大きなシナジーを期待でき、さらに両社の商流を融合させることで、顧客に対してより幅広いラインナップを提案することができ、小型航空機向け市場拡大に迅速に対応し、中長期的には自動車用途などの産業用途に向けて、事業拡大を図るため、今回の買収に至った。

異動する子会社の概要
(1)名称 TenCate Advanced Composites Holding B.V.
(2)所在地 G. van der Muelenweg 2, 7443 RE Nijverdal, The Netherlands
(3)代表者の氏名 Frank Johan Meurs, Frank Rutger Spaan
(4)事業内容 炭素繊維複合材料の製造・販売
(5)設立年月日 2016年9月14日