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スキー靴製造などの奈良スポーツが破産手続き
スポーツ用品製造の奈良スポーツは3月1日付で事業を停止し、破産手続きを東稔忠幸弁護士(奈良総合法律事務所)に一任、自己破産申請の準備に入った。
東京商工リサーチによると、過去の和議債務を含め負債総額は約10億円が見込まれる。
1946年に野球用スパイクの製造を目的に創業し、1950年頃からスキー靴の製造を開始。
1990年4月期にはスキーブームを背景にピークとなる約53億円の売上高を計上した。
また、1992年、1998年、2002年の冬季オリンピックに契約選手が出場したなどアスリートからの信頼も高く、事業を拡大していた。
しかし、バブル崩壊後はスキー人口の減少や海外ブランドのスキー靴が国内市場に浸透し、業績は次第に悪化。
1997年4月に約54億円の負債を抱え、和議法を申請。以降は規模を縮小しながら事業を継続し、トレッキングシューズなども扱い、スキー靴以外の分野へも進出した。
しかし、ここ数年は販売不振が続き、2017年4月期の売上高は約4億円に低下した。過去の和議債務や、資金繰りも行き詰まり今回の措置に至った。