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中小企業に特化したコンサル、M&Aでも実績 和歌山に続いて、四国や東京への進出も視野に / インタビュー

株式会社ジャストコンサルティング 代表取締役 前田節

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中小企業に特化した経営コンサルティング企業として、関西圏で高い評価を得ているのが、大阪のジャストコンサルティングだ。中小企業診断士が4名、金融機関で中小企業を担当してきた実務経験者も4名在籍しており、また、中小企業庁から「経営革新等認定支援機関」に認定されている。同制度は2012年にスタート、コンサルティング企業や金融機関の中でも、中小企業の経営コンサルティングに関する専門知識・ノウハウを持つ機関のみが選ばれる。同社の前田節社長は、「例えば、金融支援を受けるための経営改善計画を策定するためには、認定支援機関によるサポートが必要になります。金融機関も第三者の目から見た事業性評価を求めているため、金融機関からの紹介や中小企業からの相談が一段と増えるようになりました」と語る。顧客となっている中小企業は延べ約300社に上り、業種も多岐にわたるという。

前田社長は、同志社大学卒業までの学生時代を京都で過ごしたというが、就職したのは和歌山を地盤とする紀陽銀行だった。「実家も商売をしていたので、子どものときからいずれ起業したいとは考えていたのですが、学生時代に経営コンサルティングに興味を持ち、その実務を身につけるには金融機関、中でも銀行がいいだろうと考えたのです」と振り返る。中小企業などの法人営業を担当、30歳のとき、グループ社員約200名の物流企業に転職。本社の経営企画室長に就任し、経営計画の立案・実施などに奔走した。「そのときの経験が、今の仕事にとても役立っています」と前田社長は語る。

ところが、それから約3年後、その物流企業がリーマンショックの余波で経営危機に陥り、20名近くの社員をリストラせざるを得なくなったため、責任を取る形で退職。大手コンサルティング会社に移籍して、経営コンサルティングの実務に磨きをかけ、その2年後には中小企業診断士の資格も取得した。2011年には、税理士とコンサルティング会社の立ち上げに参画し、さらに、2013年、前田社長は独立。ジャストコンサルティングを設立し、その後、銀行員時代の同僚だった経営コンサルタントも合流、順調に業容は拡大し、設立から4年で総勢10名のコンサルティング会社に成長した。

中小企業診断士の資格を持つ経営コンサルタントでも、中小企業経営者から必ずしも支持されるとは限らない。その点、同社が高い支持を得ている理由として、前田社長は、「シンプルで実効性の高い提案をしているからだと思います。弊社では、中小企業の経営の現場、実態を隅々まで把握することから、弊社のコンサルティングがスタートします。ですので、事業計画を立てる際には、紙の上のプランに止まらない、地に足の着いたアドバイスができます。それは実効性の高い計画につながり、成果があがりやすい計画になります」と分析する。中小企業の経営全般についてサポートしているが、とりわけ、強みを持っているのがファイナンシャルプランニングだ。中小企業にとって、事業資金の確保は生命線といってもいいが、同社には前田社長以下、金融機関出身者が多いため、財務面でのコンサルティング、金融機関との交渉などに力を発揮している。「今後は、事業計画などの前工程だけでなく、商品やサービスのマーケティング、プロモーションの支援といった、アフターフォローの領域にも、サービスの幅を広げていきたいですね」(前田社長)との意欲も示す。

経済環境が激変し、経営者の世代交代も進む中、関西圏の中小企業の間でも、M&Aの動きが活発化している。同社も全国のパートナー企業と協力して、事業承継や事業分割、あるいは事業再生といった、中小企業のM&Aがらみの案件を数多く手がけるようになった。オーナー経営者にとって、会社はわが子も同然だ。前田社長によれば、大胆なリストラが必要な場合でも、会社を丸ごと売却したり、事業を分割・譲渡したりすることに逡巡するケースが多いという。そうしたハードルを乗り越え、M&Aを成功に導くのが、経営コンサルタントの腕の見せ所でもある。「私自身も、中小企業の経営で“修羅場”を何度もくぐりぬけてきたので、経営者の考え方や心情がよくわかるんですね。経営者を説得するには、コミュニケーションを密にして心に寄り添い、共感を得ることが大切だと考えています」。

同社は昨年、和歌山オフィスを開設した。和歌山は前田社長にとって、いわば“銀行員時代のホームグラウンド”で、地元の支援機関との太いパイプがある。「和歌山のクライアントが増え、和歌山に拠点があったほうが、地域に密着したきめ細かいサポートができると考えたんです。また和歌山の中小企業経営者の方は、経営コンサルティング会社に馴染みが薄いんです。そういう方々に、経営コンサルタントに相談するメリットをお伝えしながら、経営コンサルティングを普及・定着させたいという思いも強いですね」。

経営コンサルティングが広まっていない傾向は、関西圏の他の地方都市でも根強いという。「中小企業にとって、経営コンサルティングの潜在的ニーズは高く、コンサルタントが経営改善に貢献できる余地は大きいと考えています。最近では補助金制度も充実しているので、そうした制度を活用して、中小企業にも導入しやすいコンサルティングサービスも提供していきたいですね」。

前田社長は、和歌山に続いて、奈良、滋賀といったほかの関西エリア、そして四国などにも、地方拠点を増やしていく考えだ。さらに、東京進出も視野に入れる。「事業拡大よりも、日本経済の中心での情報収集、パートナー企業との関係強化などが主な狙いです。」前田社長の躍進はまだまだ止まらないようだ。

インタビュアー:KSG アソシエイト 後藤 哲侍

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