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長崎雲仙の老舗旅館「東洋館」運営会社、自己破産開始決定 営業は別会社で続行
長崎県雲仙市の老舗旅館である東洋館は、3月31日、長崎地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には福崎博孝弁護士(弁護士法人ふくざき法律事務所)が選任された。
「ホテル東洋館」は別会社により現在も運営を継続中である。
1945年11月、観光ホテル「ホテル東洋館」として開業、客室115、収容人数約500人、10名以上の宴会場23カ所を備え、雲仙温泉ではトップクラスの規模と知名度を誇る老舗として、ピークとなる1991年6月期には売上約23億円を計上していた。
しかし、その後は他の温泉地区との競争激化や個人消費の低迷などから宿泊客が年々減少、1990年以降は普賢岳の火山活動の影響に加え雲仙・島原地区の観光需要の低迷から利用客も減少し、業績も悪化していた。そうしたなか、施設などへの投資で多額の借入金を抱え資金繰りが悪化、2010年3月には借入金の一部がサービサー(債権回収会社)に債権譲渡される事態となっていた。その後、資金繰りも改善しないまま、2017年2月にホテル不動産を売却、今回の措置となった
東京商工リサーチと帝国データバンクによると、負債総額は約37億円。長崎県では今年最大。