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テーマパーク運営のファームなど2社、民事再生法の適用を申請

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ファームと、関連の赤城高原開発は5月30日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。申請代理人は野村茂樹弁護士ほか6名(奥野総合法律事務所・外国法共同事業)、監督委員には髙木裕康弁護士(東京丸の内法律事務所)が選任された。

ファームは、昭和39年に機械工具類販売として創業され、43年の法人化後はスーパー、ホームセンターを順次開設、さらに61年には「市倉ファーム」を開設して観光事業に進出し、ピークとなる平成7年4月期には売上高144億2406万円を計上した。その後機械工具販売部門とスーパー部門を関連会社に分離したことで売上高は低下したが、関係会社を含めたグループ全体で、「とうほくニュージーランド村」(岩手県)、「赤城高原牧場クローネンベルク」(群馬県)、「信州塩尻農業公園チロルの森」(長野県)、「滋賀農業公園ブルーメの丘」(滋賀県)、「岡山農業公園ドイツの森クローネンベルク」(岡山県)など農村型テーマパークを全国に展開、10年5月には関連会社のガソリンスタンドを承継して、12年4月期には売上高が125億8754万円まで回復していた。

その間、不採算のテーマパーク閉鎖や指定管理契約の終了等から減収傾向をたどり、さらにテーマパーク開設時の借入金膨張から資金繰りが悪化、25年3月に整理回収機構の企業再生スキームの適用となり借入金圧縮を図っていたものの、27年4月期には売上高31億4539万円まで低下。今年に入ってからの年収入高が計画を大きく下回るなど、業状は改善せず、自主再建を断念した。

赤城高原開発は、ファームと宮城村(現:前橋市)との第三セクター方式により設立。ドイツの農村をイメージした「赤城高原牧場クローネンベルク」でのレストラン経営と不動産賃貸により、年間売上高は約1億9000万円で推移、19年3月期中にファームの100%子会社となって運営管理全般を手掛けるようになったことで、19年3月期の売上高は約7億5800万円を計上した。

しかし、景気後退による来場者減少などにより業績が低迷、25年3月期には親会社とともに整理回収機構の企業再生スキームの適用となり同じく借入金の圧縮を図ったが、今後の安定した来場者の確保は難しく、親会社とともに今回の措置となった。

帝国データバンク及び東京商工リサーチによると、負債総額は、ファームが約51億円、赤城高原開発が約7億円で、2社合計約58億円。