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和洋菓子製造の千鳥屋総本家、民事再生法の適用を申請
千鳥屋総本家は5月16日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は、吉田広明弁護士(北浜法律事務所東京事務所)。監督委員には、田口和幸弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所)が選任された。
千鳥屋総本家は平成4年2月設立の和洋菓子製造業者。元は東京千鳥屋ビルの商号で、不動産売買・賃貸業を目的に設立され、創業者の原田吉康氏所有の豊島区駒込の本店ビル及び川口工場、蕨向上の不動産を買収、23年2月期の売上高は約1億5500万円を計上していた。
また、菓子を製造していた千鳥屋総本家を関連会社として有し、同社は寛永7年創業の焼菓子専門店「千鳥屋」の東京店として昭和39年5月に創業し、製造する菓子「隅田川」「フィルデン」が大会で賞を受賞するなどの実績を有していた。近年では、アミューズメントパーク向けに「チョコレートクランチ」を主力として、和菓子「千鳥饅頭」や洋菓子「チロリアン」などの製造販売の他、国内外の企業向けにOEM販売を手掛け、ピークの20年12月期には売上高約38億9100万円をあげていた。
しかし、24年に入り売上減少や原材料価格の高騰により資金繰りが悪化。26年12月に、東京千鳥屋が千鳥屋総本家を吸収合併し、現商号に変更。物流センター統合や駒込の本店ビルを売却するなど事業のスリム化を図っていたが、26年頃に大口取引が打ち切られ、資金繰りが一段と悪化、今回の措置となった。
今後は、神戸市のGLION(ジーライオン)グループがスポンサーとなる形で営業を譲渡、販売力を補完しながら再建する予定となっている。
帝国データバンク及び東京商工リサーチによると、負債総額は約23億円。
なお、千鳥屋総本家と同じく昭和38年創業の「松月堂」を起源とする老舗菓子メーカーの千鳥饅頭総本舗とは別法人であり、同社は現在も通常通り営業を続けている。