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産業革新機構、久留米発ベンチャーのLEシステムに出資

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産業革新機構(以下、INCJ)とQBキャピタル合同会社は、他の共同投資家とともに、レドックスフロー電池の電解液開発製造を手掛けるLEシステムの第三者割当増資を引き受け、同社事業の成長資金として総額5.8億円の出資を決定したと発表した。総額のうちINCJは4億円の出資を行った。

LEシステムは、火力発電所等で発生する産業廃棄物の重油燃焼煤(EP煤)等からレアメタルであるバナジウムを回収し、レドックスフロー電池用バナジウム電解液を安価に製造する技術を確立しており、現在、量産段階に移行するレベルにある。

今回の投資資金は、主にバナジウム回収や電解液製造のマザープラント建設・運営に供される予定。
近年、低炭素社会の実現を目指し、太陽光や風力など、再生可能エネルギーの導入がグローバルレベルで推進されている。しかしながら、再生可能エネルギー発電は、天候など自然環境に依存するため発電時間や発電量が不安定であり、電力系統への悪影響(周波数変動、電圧変動等)が発生するという課題をかかえている。この課題を解決するためには、電力を貯蔵するための大型蓄電池が必要となる。

レドックスフロー電池は、他の実用化されている大型蓄電池と比べて、原理上充放電回数に制限がなく劣化がないことから長期の安定稼働が可能であり、拡張性の自由度や安全性にも優れている。1970年代に原理が発表されて以降、国内外で開発が進められ、一部で実用化もされているが、電解液にレアメタルを利用するため、コスト高と不安定な供給が普及を妨げる大きな課題となっていた。

今回、LEシステムは、セメント業界最大手の太平洋セメント株式会社のリサイクル事業(有用物回収、及びセメント原燃料利用等)と連携し、産業廃棄物からのバナジウム回収技術の開発を進めたことにより、バナジウム原料の安定調達が可能となった。加えて、回収したバナジウムから電解液を効率的に製造する技術も確立したことにより、安価にバナジウム電解液を提供することが可能となり、レドックスフロー電池普及のボトルネック解消に大きく貢献することが期待されている。

INCJは、LEシステムへの投資を通じて、グローバルで通用する高い競争力を持ったレドックスフロー電池事業の成功事例を創出するとともに、同電池の普及によって、国際的課題である再生可能エネルギーの導入促進に貢献出来ることを期待している。また、日本の大手事業会社とベンチャー企業とのパートナーシップを支援することで、新たなオープンイノベーションの実現・推進を図っていく。

<レドックスフロー電池>
レドックスフロー電池は、バナジウムなどのイオンの酸化還元反応を溶液のポンプ循環によって進行させて充放と放電を行う蓄電池。室温で運転可能であり、燃焼や爆発性のある物質を使用しないため、安全性に優れている。電解液のOCV(開路電圧)を計測することにより、運転中に貯蔵電力量の正確な監視・制御が可能なことから、夜間の余剰電力の活用や不規則で変動の激しい再生可能エネルギー(太陽光、風力等)発電出力の変動吸収に適した蓄電池である。