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村田製作所、米ヘルスケアITベンチャーVios社を買収 買収対価約114億円

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電子部品大手で世界トップのセラミックコンデンサーが主柱の村田製作所【6981】は、子会社であるPJ Florence Acquisition Company, Limitedika(以下、買収SPC)を通じて、心拍数、呼吸数、心電図等を計測できるチェストセンサ及びそれらをモニタリングするためのソフトウェア、クラウドサービス等の提供を行う会社であるVios Medical, Inc.(以下、Vios社)と買収SPCを合併させることにより、存続会社であるVios社を子会社化すると発表した。

村田製作所がVios社の株主及びストック・オプション保有者に支払う本件買収対価の総額は、約1.02億米ドル(約114億円)。
本件買収対価総額の内訳は、以下のとおり。
① 合計約7573万米ドル(約85億円)相当の当社普通株式
② 合計約2588万米ドル(約29億円)相当の現金

村田製作所は、「新しい電子機器は新しい電子部品から、新しい電子部品は新しい材料から」の基本理念に基づき、基礎技術から次代の先端技術までを追求することで、独自の製品を開発・供給し、エレクトロニクス社会の発展に貢献することを目指している。また、村田製作所では、2015年12月に公表した「中期構想2018」における経営目標の実現に向け、ヘルスケア・メディカル分野を自動車、エネルギーと並ぶ注力市場の一つとして位置づけており、第一種医療機器製造販売業許可を取得し、新たなビジネスモデルや顧客価値を創出することによって市場の多様化と成長を図っている。

Vios社は2012年12月に設立された米国のヘルスケアIT分野のベンチャー企業で、心拍数、呼吸数、 心電図等を計測できるチェストセンサの開発と、それらをモニタリングするためのソフトウェア、クラウドサービス等を開発・提供している。
チェストセンサで取得されたバイタルサインのデータは、同社の開発したソフトウェアがインストールされたベッドサイドモニタ及びセントラルモニタでリアルタイムでのモニタリングが可能となる。同社は現在、アメリカ及び子会社のあるインドにて積極的に病院でのトライアルを進め、ビジネス展開を図っている。

Vios社の技術の特徴は、センサを通して得たバイタル情報を特許取得済みの独自のアルゴリズムで処 理することによりリアルタイムモニタリングが可能となる点にあります。さらにそのデータ解析につい ても、既製のタブレット端末や PC など安価な市販端末で準リアルタイムに処理することができ、既存の高額なモニタリング装置を利用する場合に比べて医療機関での導入コストを大幅に削減できる。また、 無線ネットワークを利用することで患者の病院内の移動に影響されず、連続的なモニタリングが可能となる。これらの技術は近年要求が高まっているホームケア(遠隔監視)にも有効であり、患者の退院後の在宅でのモニタリングや遠隔診療補助も可能になる。

Vios社は、モニタリング機器の販売に加えて、当該機器の使用実績に応じた利用料や当該機器で得たバイタル情報の解析データ提供料を収入の柱としており、ヘルスケア・メディカル分野において新たなビジネスモデルや顧客価値の創出が見込める Vios社の買収は、村田製作所の経営戦略に沿うものであり、また 村田製作所の保有するセンサや通信の技術とのシナジーも期待でき、企業価値の向上に資するものと考えており、今回の買収に至った。