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光学機器メーカーのトプコン、米国3次元点群データ解析技術開発企業を買収

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測量やGPS関連のITシステムで世界規模のトプコン【7732】は、地上型レーザースキャナーなどから得られる点群データを効率的に3次元モデル化するソフトウェア技術・製品を有するClearEdge3D, Inc.(本社:米国)の全株式を取得したと発表した。

建築業界は巨大な産業でありながら生産プロセスの効率化が進んでおらず、その解決手段の一つとして “Building Information Modeling(BIM)※” の活用が挙げられている。 BIMで使用される3次元モデルは、地上型レーザースキャナーなどで計測した3次元点群データを元に作られるが、3次元点群データは高精細であるが故にデータサイズが膨大で、3次元モデルを生成するには熟練した技術と時間を要しているのが実状である。

2006年に創業したClearEdge3D社は、同社が持つ3次元点群データ解析技術、対象物認識技術などの保有技術をもとに、既存の建築物や構造物の3次元点群データから3次元モデルを高速で自動生成するソフトウェア「EdgeWise」、さらには3次元点群データと3次元設計データを自動照合し、建築物の品質管理を高効率化するソフトウェアサービス「Verity」を開発・販売・サポートしている企業。

この買収により、トプコンが保有する3次元計測技術(モバイルマッピングシステムや地上型レーザースキャナー、ドローンによる空中写真測量)と、ClearEdge3D社が持つ3次元モデル構築技術を組み合わせることにより、3次元点群データ活用の利便性が大幅に向上し、建築現場の生産性向上に貢献することが可能になる。

※BIM(Building Information Modeling)
コンピューター上に作成した構造物の3次元デジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報など属性データを追加したデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューション。 3次元モデルを使ったコミュニケーションにより、施工主へ説得力のあるプレゼンテーションや、関係者間でのモデル化されたデータによるワークフローの連携が可能になり生産性の向上が図れる。
諸外国では、建築プロジェクトにこのBIMの利用が義務づけられている国が増えてきており、例えば英国では、既に2011年に建設コストの20%削減を目標にBIMの義務化がスタート、2025年までに更に33%のコスト削減、50%の工期短縮という目標を提示しており、日本を含め他の先進諸国でも今後もこの潮流は更に加速していくものと見られている。

【ClearEdge3D社 概要】
正式社名 :ClearEdge3D, Inc.
代表者 :Mr. Kevin Williams
本社所在地 :7960 Donegan Drive, Suite 223 Manassas, VA 201109 (米国・バージニア州)
主要事業 :大容量3次元点群データの処理ソフトウェアの開発・販売・サポート