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豊田通商、豪リチウム資源開発会社に約260億円を出資

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トヨタ系の総合商社で06年トーメンと合併した豊田通商【8015】は、オーストラリアのリチウム資源開発会社であるOrocobre Ltd(以下、Orocobre)による第三者割当増資の引受、および新株予約権無償割当への参加を通じ、同社への出資を決定したと発表した。
出資金額は、約AUD$292Million(約260億円※1)、出資比率は出資完了後に15%※2となる予定。

◆出資の背景
現在、先進国を中心にガソリン・ディーゼル車から電気自動車(EV)へのシフトが加速している。電子デバイスへのリチウムイオン電池採用も引き続き増加していることからも、リチウムの価格は値上がりしており、今後もリチウム需要は伸びると予想される。

豊田通商は、アルゼンチンオラロス塩湖でのリチウム資源開発プロジェクトにおいて、2010年にOrocobreと事業化調査に関する覚書を締結。以降、2012年にリチウム開発の合弁会社を設立し、2014年末より生産を開始した。また、2015年の商業生産開始以降、豊田通商は本プロジェクトで生産されたリチウムの販売を担い、グローバルな販売ネットワークを築き、両社はJVパートナーとしての関係を深めてきた。

◆出資の目的
今回の出資により、豊田通商とOrocobreは戦略的なアライアンスを締結し、豊田通商が大株主として経営に参画することで、より強固なパートナー関係を築いていく。また、出資資金は、本プロジェクトの拡張プロジェクト(以下:Phase2)に充当することを予定。Phase2では生産能力約25,000トン/年を目指し、これにより本プロジェクト全体の生産能力を42,500トン/年に引き上げることを目指す。今後、具体的な事業化調査などを行い、2018年半ばにはPhase2の最終投資判断(FID)を行い、2019年下半期に稼働開始を目指す。なお、Phase2で生産されるリチウムについても豊田通商が独占的販売権を保持。これにより、豊田通商は、リチウムに対する需要が急速に拡大する中で長期的・安定的なリチウム供給源を確保できることになる。

豊田通商とOrocobreは、中長期的なリチウム安定供給を目指すとともに、日本での水酸化リチウム生産事業も視野に入れたバリューチェーン構築を検討していく計画。

※1…1豪州ドル=88円想定
※2…15%は完全希薄化後ベースの割合

◆Orocobre社概要
鉱物資源(リチウム、ホウ酸)開発会社
代表者:CEO Richard Seville (リチャード・シビル)
豊田通商のOrocobre株式持分  15%(予定)
オラロス・プロジェクト事業内容  オラロス塩湖からかん水を汲み上げ、炭酸リチウムを精製・販売
オラロス・プロジェクトの所在地  アルゼンチン北西部フフイ州オラロス塩湖
オラロス・プロジェクトの生産量  年間17,500トン(2014年操業)
オラロス・プロジェクトの出資比率  Orocobre: 66.5%、 豊田通商: 25.0%、 JEMSE: 8.5%
販売代理権  豊田通商100% ※豊通マテリアルに100%販売委託