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武田薬品工業、ベルギーのバイオ医薬品企業を約700億円で買収

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国内製薬首位の武田薬品工業【4502】は、重篤な疾患に対して幹細胞を用いた新たな治療薬の開発を行う先進的なバイオ医薬品企業であるTiGenix NV(本社:ベルギー  以下、TiGenix社)を買収すると発表した。
取得価格は、日本円にして約700億円。

武田薬品のChief Medical and Scientific OfficerであるAndrew Plump氏は、「当社は、消化器系疾患領域におけるリーディングカンパニーとして、瘻孔を伴うクローン病患者さんが、身体的、心情的、および社会的に複雑な障壁に直面していることを理解しています。現在、本疾患の治療法は限られており、当社は、幹細胞を用いた治療等の革新的なアプローチをさらに効果的に追求することを可能にする独自の技術を有するパートナーとの提携を通じ、本疾患の患者さんに大きく貢献できるものと確信しています。私自身、TiGenix社との提携を通じて同社のチームと協働する機会がありますが、両社の研究者は目標を共有し、多様な専門性で補完し合っています。当社の一員としてTiGenix社をお迎えできるようになることを大変嬉しく思います」と述べている。

2016年7月、武田薬品とTiGenix社は、TiGenix社の有望な新薬候補であるCx601について、米国外の独占的開発・販売権に関する契約を締結した。Cx601は、少なくとも1つの従来治療あるいは生物学的製剤による治療に奏効しなかった非活動期/軽度活動期クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬であり、病変内に注入する同種異系の脂肪由来幹細胞の懸濁剤。2017年12月、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)は、Cx601の承認を推奨する見解を示した。本薬は、欧州で初めてCHMPから肯定的見解が示された同種異系の脂肪由来幹細胞の懸濁剤となる。Cx601に対する欧州委員会の承認は2018年の前半を見込んでいる。
肛囲複雑瘻孔は、クローン病に伴う最も重い症状のひとつと考えられており 、激痛、感染症、失禁を伴うことがある。治療薬や外科的治療法の進歩にも関わらず、現在もなお治療困難であり、患者の生活に深刻な影響を及ぼしている。
米国での販売許可申請を目的として、非活動期/軽度活動期のクローン病に伴う肛囲複雑瘻孔を対象としたCx601の国際共同臨床第3相試験が開始された。武田薬品は、米国の食品医薬品局(FDA)と連携し、Cx601の開発を実施するとともに販売許可取得を目指す。また、武田薬品は、日本、カナダ、新興国においてCx601の販売許可申請の可能性を追求する。