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ブイキューブの香港子会社、MBO実施へ 中国での外資排除リスクに対応
Web会議などコミュニケーションサービスを提供しているブイキューブ【3681】は、香港にあるブイキューブ100%子会社でビジュアルコミュニケーションサービスの提供を行っているBRAV International Limited(以下、BRAV社)の全株式を、BRAV社の代表である陳 志剛氏に譲渡すると発表した。
ブイキューブは中国市場へ本格的に展開するため、平成25年にBRAV社及び同社の子会社である威立方(天津)信息技術有限公司を連結子会社化した。BRAV社を通じた中国ビジネスは自動車メーカーの大口継続取引を獲得し、順調に拡大してきた。
平成29年度からは当該顧客への新規サービス提供が旧サービスからの切替えという形で開始する予定だったが、当初の予定より半年以上遅れることとなり、平成29年11月14日発表の「特別損失の計上及び業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の通り、ブイキューブの平成29年度12月期の連結業績予想を下方修正する一因となった。
中国における大口顧客への依存度の高さ及びそれを解消するための顧客の拡大は、従来から経営課題として認識し取り組んできた。平成28年からはもう一つの柱として、付加価値が高いブイキューブのサービスをオンプレミス型で導入を希望する国営企業や地方政府などへの営業活動を本格化させ、大口の見込顧客を積み上げてきたが、日本企業の連結子会社であるということが地方政府や国営企業での採用の障害となることが顕著になってきた。また、中国では大型案件の獲得の為の積極的かつ機動的な投資が求められることもあり、一層の意思決定のスピードアップが必要であるとも考えている。
このような状況のもと、当該株式譲渡により外資排除の動きを回避することで、威立方(天津)信息技術有限公司において中国国営企業や地方政府の案件獲得が見込めることとなり、ブイキューブとしても中国における固定費負担や外資排除の動きによる不確実性のリスクを切り離しながらも同社との代理店契約を拡充することでロイヤリティ収入の増加が見込めるため、グループから切り離すべきであると判断、保有するBRAV社の全株式を譲渡する方向で基本合意し、具体的な協議を開始した。
今回の株式譲渡が行われるとBRAV社及び同社の子会社である威立方(天津)信息技術有限公司は連結子会社から除外されることとなる。 なお、威立方(天津)信息技術有限公司を通じてブイキューブがサービスを提供中である大口顧客については、ブイキューブグループが契約を継承する予定。