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三井物産、印僑系企業で食農事業展開のETG社に約300億円出資

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三井グループ中核の総合商社である三井物産【8031】は、ETC Group Limited(以下、ETG社)の株式の一部を取得すると発表した。
株式取得価額は、総額約300億円。

ETG社は持分法適用会社となり三井物産は会社経営の重要な意思決定に関わる。ETG社はドバイを本拠地とし、東アフリカ・環インド洋地域を中心に36ヶ国・約330か所に拠点を有する印僑系企業で、農産物取引(集荷・保管・輸出入・加工)、農業資材(肥料・農薬・種子など)販売、食品製造販売を幅広く展開している。

ETG社は「農家と共に成長する。」を社訓の一つとし、農家の自立・成長を目的として、50年にわたり“食と農”関連事業を拡大してきた。倉庫や車両などの自社物流アセットによる集荷機能の他、各農村に日用品や食品を販売するチャネルを有し、細部まで張り巡らせたネットワークとこれまでの歴史で培った200万戸に上る農家との信頼関係を強みとしている。特に東アフリカ地域における肥料と雑豆類(大豆・落花生以外の豆類の総称で、インド等南西アジア地域における主要タンパク源の一つ)の取扱量はNo.1の実績を誇り、ゴマ貿易においても最大手の一角である。

アフリカは2025年には人口15億人を突破し、都市人口比率が50%近くに上昇することが見込まれ、“食と農”など、民生を支える事業分野のニーズが引続き高まっていくと予測されている。
特に、生産効率が低い農業の度化・効率化と食料増産、インフラ整備における民間主導の分散電源や再生可能エネルギーの普及等、アフリカ市場として潜在的に大きな成長性を有している。

三井物産は、新中期経営計画で「強みを発揮出来る新たな成長分野」の一つとして“ニュートリション・アグリカルチャー”、つまり“食と農”の分野を定めた。三井物産はこれまで、農薬や肥料といった農業資材関連事業から穀物トレーディング、飼料添加物事業、畜水産事業を通じて、世界の食料増産に寄与してきた。グローバルに海上・陸上の物流ロジスティクスを更に整備していくことも、安定的な食料供給に欠かせない。ETG社とも、長年の穀物トレーディングを通じて信頼関係を構築してきている。今回のETG社への参画にあたり、三井物産は複数名の取締役を差入れると共に、ETGと連携して“食と農”の事業を推進する専任組織を新設し、更にアフリカ及び環インド洋経済圏での“ニュートリション・アグリカルチャー”の事業を拡大する。

三井物産は“ニュートリション・アグリカルチャー”の分野で培った営農指導や農業資材調達のノウハウ、穀物トレーディングのネットワークなどを機能的に活用し、ETG社の既存事業発展に貢献。また新規の取組みではETG社の事業基盤をプラットフォームとして活用し、アフリカ地域でのインフラ事業の協働展開など事業多角化を推進することで、ETG社の企業価値向上に資すると共に、アフリカ及び環インド洋経済圏における三井物産の収益基盤の強化を目指す。

ETG社概要
正式名称  ETC Group Limited
本拠所在地 アラブ首長国連邦 ドバイ
創業    1967年
事業内容  農産物取引(集荷・保管・輸出入・加工)、肥料を始めとする農業資材取引、食品製造販売業
売上高   US$3,658mil(2017年3月期・連結ベース)
総資産   US$2,508mil(2017年3月期・連結ベース)
従業員数  約6,600人(2017年3月期・連結ベース)
傘下企業  ドバイおよびヨハネスブルグを主要拠点とし、東アフリカ地域を中心に計36ヶ国に170社余りの傘下企業、約330か所の物流拠点を保有
関連URLhttp://www.etgworld.com/