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竹中工務店、建設業におけるAI活用に向けAI将棋開発のHEROZと資本提携

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大手総合建設会社の竹中工務店とAI将棋「将棋ウォーズ」などを開発するHEROZは、建設業におけるAI活用に向けて構造設計業務を支援するAIシステムの開発に着手、それに伴い、竹中工務店は、8月31日に関係強化と開発促進のためにHEROZの発行する新株予約権付社債の引受を行ったと発表した。

HEROZは、将棋電王戦優勝ソフト「Ponanza(ポナンザ)」の開発メンバーを擁し、AIを活用したインターネットサービスの企画・開発・運営を行っている。竹中工務店は建設事業に関わるノウハウのAI化をHEROZと協業して進めることにより、さらなる品質確保、省人化・短工期化などの生産性向上、顧客への新たな付加価値の提供などを目指す。

◆第一段階として構造設計AIシステムの開発に着手
AI活用のさきがけとして、構造設計業務を支援するAIシステムの開発に着手。竹中工務店では、企画設計から詳細設計にいたる構造設計の全段階において、2001年に自社開発した構造設計システム「BRAIN※(ブレイン)」を活用している。蓄積されたBRAINのデータには、竹中工務店の優れた構造設計ノウハウが凝縮されている。HEROZが手掛けるAI技術ノウハウを活用した「HEROZ Kishinプラットフォーム」と、竹中工務店の大工棟梁としての“職人(名人)”の精神を継承する数百件におよぶノウハウを融合し、2018年までに、竹中工務店の構造担当者誰もが先人たちのノウハウを活用できるシステムのプロトタイプを構築した上で、構造設計者達がそのAIシステムを育てていく事により技術の伝承を確かなものとしていく。

その後、2020年までに深層学習等を通して、より速く、より優れた結果に導くシステムに改善していき、構造設計業務での自動設計やシミュレーションの自動化等の活用を開始し、構造設計の中のルーチン的な作業の70%削減を目指す。
これにより、構造設計者がよりクリエイティブな業務に集中できる設計環境の構築と、ワークライフバランスの向上を目指し、さらに、将来に向けた新しい建築設計の創出を目的として、最終的には人間とAIが協力し、新たな発想による作品づくりを目指していく。

※BRAINは、竹中工務店の登録商標。

◆竹中工務店が目指すAIの活用イメージ
竹中工務店では、建物の設計段階における構造設計AIシステムの開発をはじめ、建物のライフフサイクルの各フェーズにおいて、AI活用を積極的に展開。

・施工計画・生産管理業務の支援
施工計画の変更、短縮要請に対し、BIMデータをもとにしたAI技術により、作業員調達や、人員配置等の過去のデータに基づいて効率的な対策案を提示するシステムを構築し、働き方改革を着実に実践していく。

・ビル管理を含む街づくりエンジニアリングソリューション
現在提供しているビル管理に関してAI技術を導入し、建物維持管理データによるFMソリューション、デマンドレスポンスによるエネルギーソリューション、そしてエネルギー融通や健康社会などのまちづくりソリューションを展開し、建物からまちづくりまで総合的に社会に貢献するエンジニアリングソリューションを目指す。