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新日鉄住金エンジニアリング、住友重機械工業から乾式脱硫脱硝設備事業を譲受け
粗鋼生産量で国内首位の新日鉄住金エンジニアリング【5401】は、重工大手の一角の住友重機械工業【6302】から乾式脱硫脱硝設備の事業を譲り受けると発表した。
新日鉄住金エンジニアリングは、国内及び海外の製鉄会社向けに、製銑、製鋼、圧延、鋼板処理等の製鉄プラントを販売している。鉄鋼業界においては、環境・省エネルギー対策への設備投資が従来から積極的に行われており、新日鉄住金エンジニアリングは、コークス炉用コークス乾式消火設備、排熱回収設備、ガス精製設備、集塵設備などで、多くの実績を積み重ねてきている。今回の乾式脱硫脱硝設備事業の譲受は、これまで新日鉄住金エンジニアリングになかった焼結機向けの商品ラインアップの拡充となる。
活性炭を用いた住友重機械の乾式脱硫脱硝設備技術は、1960年代に研究開発が始まり、活性炭性能の改善や脱硝機能の付加などの進化を遂げながら、発電ボイラー、焼結機、ごみ焼却、セメントキルン等の排ガス処理設備へ、次々と実用化されてきた。現在では国内10基、海外3基の納入実績を保有する確立した技術となっている。焼結機向けの脱硫設備第一号機は、1987年に新日本製鐵株式会社(現新日鐵住金株式会社)名古屋製鉄所に納入された。
環境保全に対する規制が世界的に強化されている中、製鉄所の排ガス処理対策は、ますます重要視されている。新日鉄住金エンジニアリングは、製鉄プロセスにおける環境・省エネルギー技術のリーディングカンパニーとして、保有するグローバルネットワークを最大限に活用し、高性能かつ設備信頼性の高い乾式脱硫脱硝設備の普及を図り、持続可能な社会の構築に貢献していく。