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住友林業と熊谷組、資本業務提携 株式持ち合いへ
新築注文住宅と木材建材が2本柱の住友林業【1911】と総合建設準大手の熊谷組【1861】は、業務・資本提携を行うと発表した。
今後、両社はお互いの経営の自主独立性を尊重し、対等の精神と良好な関係のもとで長期的なパートナーとして共に成長し、企業価値の向上を目指していく。
国内の住宅市場・建設市場は、中長期的な人口の減少に伴って縮小均衡が予想される。両社は、このような経営環境の変化に対して、新たな市場の創出や付加価値の高い技術開発、海外での事業展開といった、持続的な成長に向けた取組みが必要と考え、既存事業の領域を超えた独自性のある新しいポジションの構築を目指し、協業体制の検討を進めてきていた。
木材・建材事業及び木造注文住宅のトップブランドである住友林業は、国内における非住宅分野の強化に加え、不動産開発事業等のグローバル戦略を推進する上で、ゼネコン機能の必要性を認識しており、一方で、国内外で数多くの施工実績を持つ熊谷組は、土木・建築の事業分野に加え、中長期的に重要な戦略として、バイオマス発電をはじめとした再生可能エネルギー事業や海外事業の強化を掲げている。
今回、両社の戦略の方向性が一致し、お互いに企業価値の最大化が実現できるパートナーであると判断、本提携に至った。 世界有数の森林保有国・日本では、昔から人々の暮らしは「木」や「緑」と密接な関係にあった。 昨今は「木」や「緑」に“ぬくもり”や“癒し”を求める声が広がっているだけではなく、平成22年10月には「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」も施行されている。木材の利用促進は国の政策として位置付けられ、住宅以外にも幅広く木造化・木質化のニーズが高まっている。そこで、住友林業が強みとする自然素材である「木」や「緑」への深い知見と、熊谷組が強みとする優れた土木・建築技術やノウハウを融合し、「木」や「緑」を活かした建築物や住宅の提供を通じて、豊かな社会の実現を図る。両社は、森林資源に対する強い思いを共有しており、土木・建築分野への木材の有効活用をはじめとした林業の活性化、ひいては国土の保全、環境への貢献を目指す。自然環境との調和がとれた社会インフラを、ソフトとハードの両面から創り上げる取組みを進めていく。 また、両社は、各事業分野におけるシナジー創出モデルを積極的に展開し、パートナー関係の長期的な発展・強化と継続性のある協業を追求するため、それぞれが第三者割当増資を行い、お互いに株式を取得することでも合意。 今後は本提携のもと、両社は相互協力を加速・発展させ、顧客の期待に応えることを通じて持続可能な社会の発展に貢献していく。