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複合機のコニカミノルタ、米国の創薬支援企業を買収

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複合機中堅のコニカミノルタ【4902】は、プレシジョン・メディシン※1事業の成長戦略の一環として、米国の創薬支援企業であるInvicro LLC(以下、Invicro(インヴィクロ)社)を買収すると発表した。

※1 プレシジョン・メディシンは、個々人の細胞における遺伝子発現やたんぱく質などの特性を分子レベルで判別することで個々の患者を精密にグループ化し、最先端の技術を用いて適切な投薬、治療と予防を提供する医療。

Invicro社は、高度な数値解析技術、バイオマーカー探索技術に強みを持つ創薬支援のイメージングCRO。PET(陽電子放出断層撮影法)イメージング技術を用いた、がん腫瘍部の検出技術やアルツハイマー病の病理画像解析技術を有し、製薬企業にとって付加価値の高い創薬支援、治験・診断支援を、バイオマーカーを軸にして一気通貫的に提供するビジネスモデルを推進している。

さらに、AIを活用した先端技術を積極的に開発し、3次元デジタルイメージデータを含む膨大な情報を管理するデータベースを構築している。Invicro社が注力している中枢神経系疾患(アルツハイマー病など)とがんの領域は、未だに有効な治療方法が確立していないものが多く、製薬業界全体で新薬開発活動が急速に拡大している。

近年、製薬業界では創薬のあり方が大きな変曲点を迎え、特定のがん細胞をピンポイントで攻撃する分子標的薬、中でも抗体医薬などのバイオ医薬品の研究開発が拡大している。バイオ医薬品は、特定の患者に高い薬効を発揮し、副作用が少ないという特長があり、多数の製薬企業が参入している。従来型の低分子化合物薬と違い、バイオ医薬品は、ピンポイントで攻撃するために、そのターゲットの存在の有無、位置、存在量、薬の効果などを経時的にモニターできるバイオマーカーを薬の開発初期に設定することが不可欠。また、バイオ医薬品は複雑な構造を持つたんぱく質であるため、新薬開発に時間と莫大なコストがかかり、効果的なバイオマーカーの探索・設定は、開発の生産性向上のために製薬業界の重要な課題となっている。

Invicro社は、医療画像やデジタル病理分野において、複雑な生体情報を数値解析することで、バイオマーカー探索・設定の支援に関する豊富な実績を有している。世界の生命科学をリードする米国の中でも、トップクラスの人財が集積するボストンに本社を置き、従業員約300名中、200名以上が科学者であり、60名以上が理学ないし医学の博士号を持つ先端技術開発企業。また、開発拠点のグローバル展開で優秀な人財を獲得し、医学、生物学、物理学、数学、工学、化学などを含む生命科学の領域をグローバルにリードする存在である。

Invicro社の買収は、先のAmbry Genetics(以下 Ambry社)買収と共に、コニカミノルタのプレシジョン・メディシン戦略の要となり、コニカミノルタの固有技術である、たんぱく質高感度定量検出技術(HSTT)、Ambry社のグローバルトップレベルの遺伝子診断技術、Invicro社が持つバイオマーカー技術、数値解析技術、画像処理技術、製薬企業への提案力を統合し、新薬開発の飛躍的な生産性向上、そして患者のQOL(Quality of Life)向上、国民医療費高騰の抑制に貢献していく。