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極小ベアリングのミネベアミツミ、日本政策投資銀行と共同で米国 精密機械金属加工メーカーを買収

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極小ベアリングで世界シェア6割のミネベアミツミ【6479】は、日本政策投資銀行(以下、DBJ)と共同で医療用、航空機用、産業用、及び燃料システム向けの精密機械金属加工をしているC&A Tool Engineering, Inc.(以下、C&A)の全株式を取得すると発表した。
買収価格は、非公表。

今回の共同出資における出資比率はミネベアミツミが51%で、DBJが49%。

ミネベアミツミは、中期戦略目標において2021年3月期に売上1兆円又は営業利益1000億円を目標に掲げており、機械加工製品の拡大を重要戦略の一つと位置づけ、日本、英国及び米国で難易度の高い加工技術を強化している。また、タイで生産を行い製造コストの削減に取り組み、日本及びタイで生産能力の拡大を行っている。この買収を通じて、機械加工品製品を発展、拡大させ競争力の更なる向上を目指す。

ミネベアミツミは、米国の子会社New Hampshire Ball Bearings Inc.(以下 NHBB)を中心に、ドイツのmyonic GmbHやCEROBEAR GmbHと協業して米国向けの航空機、医療用及び産業機器向けのボールベアリング市場の開拓や新しい生産技術の開発をしてきた。
C&Aは米国インディアナ州に3つの工場を持ち、ミネベアミツミグループと、彼らが保有するコアビジネスとミネベアミツミグループにない精密機械金属加工技術と協業する事で、以下のシナジーが期待できるとしている。

・今後も成長が見込める米国の医療産業分野で、ベアリング及びベアリング以外のグループ製品の拡販が期待出来る。

・C&Aは付加造形の生産技術(所謂3Dプリンティング技術)が進んでおり、顧客が製品を米国食品医療品局(Food and Drug Administration)に申請をして承認を得る為に技術サポートをする事が最初に許可された付加造形生産技術を持つ企業の一つで、今後同製品の売上が伸びる事だけではなく、ミネベアミツミの付加造形生産技術とのシナジーが期待できる。
また、同生産技術をミネベアミツミグループの他の事業部に横展開する事で、コスト競争力がある製品開発が可能になる。

・C&Aは航空機分野でもハードメタル系の精密機械金属加工に高い技術を有していて、米国でエンジン関連部品のビジネスを拡大している。NHBBも米国の航空機分野に多くのベアリングを納入しているのでC&Aの製品を取り込むことで、航空機分野で製品レンジが多角化され市場で優位性を得ることができると考えられる。

・ミネベアミツミが現在進めている医療分野への進出を加速できることが期待できる。

また、ミネベアミツミは現出資よりその持分を直接取得するが、C&A事業はNHBBの指揮のもとに協力体制を築き、さらなるビジネス拡大に努めていく。