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第一三共、大阪大学発ベンチャー「クオリプス」に出資

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国内製薬大手の第一三共【4568】は、大阪大学発ベンチャー企業のクオリプスへの出資およびクオリプスが開発するiPS細胞*1由来心筋シートの全世界での販売オプション権に関する契約を締結したと発表した。

iPS細胞由来心筋シートは、ヒトiPS細胞から作製した心筋細胞をシート状に加工した他家細胞治療製品*2。心臓移植や人工心臓装着以外に有効な治療法がない重症心不全患者の心臓に本製品を移植することにより、心機能の改善や心不全状態からの回復等の治療効果が期待されている。

大阪大学 大学院医学系研究科 心臓血管外科学(澤 芳樹教授)では心臓疾患を対象とした細胞治療研究の最先端の成果をもとに、iPS細胞由来心筋シートの研究開発にAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の再生医療実現拠点ネットワークプログラムとして取り組んできた。現在、臨床研究及び医師主導治験の開始に向け準備を進めている。

クオリプスは、大阪大学の技術・研究成果をベースに、iPS細胞由来心筋シートの開発・事業化を図る目的で設立された大阪大学発のベンチャー。

第一三共グループでは、iPS細胞由来心筋細胞及びその製造方法に関する研究を行っており、現在、実用化を見据えて効率的な生産技術の開発を進めている。

今後、両社は、世界に先駆けたiPS細胞由来心筋シートを用いた重症心不全治療薬の実用化を目指していく。

*1  iPS細胞は、ほぼ無限に増殖する能力と様々な組織や臓器の細胞に分化する能力を持ち、今後の細胞治療への活用が期待されている。

*2  細胞治療製品には、患者自身の細胞を取り出して培養・加工する自家細胞製品と、患者以外の第三者の細胞を培養・加工する他家細胞製品の2種類がある。

<クオリプス株式会社 会社概要>
所在地 :神奈川県横浜市
設立年 :2017年3月21日
事業内容:iPS細胞由来心筋シートの研究開発・事業化
株主構成(当社出資前):
・大阪大学研究者(大阪大学 大学院医学系研究科 心臓血管外科学 澤 芳樹教授、他2名)
・デフタ・パートナーズ
・株式会社セルキューブ