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長野計器、圧力標準器の製造の双葉測器製作所を買収
東証1部上場で機械式圧力計はグループで世界シェア首位の長野計器【7715】は、圧力基準器製造の双葉測器製作所の株式を取得し、子会社化すると発表した。
取得価格は、約2億2千万円。
長野計器は、圧力計測の専業メーカーとして圧力計、圧力センサ、重錘形圧力天びん(注1)(気体 圧力、液体圧力)、液柱形圧力計の製造販売を主な事業としており、圧力部門では我が国第1号のJCSS(注2)(圧力校正)事業者登録を平成10年12月に受けており、計量法トレーサビリティ制度に基づく校正システムを確立している。
双葉測器は、重錘形圧力天びん、液柱形圧力計等の圧力標準器の製造販売を主要事業としており、また、上記製品に加えデジタル圧力計、機械式圧力計のJCSS校正事業を行っている。長野計器との技術的差別化としては、気体用重錘形圧力天びんは長野計器製品に対し優位性がある。水俣条約によって水銀の使用が制限されるため、今後血圧計の検査方法が気体圧力の重錘形圧力天びん等に移行することが検討されていることより、この分野の強化に繋がることが期待される。更に、双葉測器はJCSSにおいても長野計器と同様に特定二次標準器(注3)を 所有する第一階層事業者である。 このように、双葉測器を子会社とすることは、長野計器の圧力標準器を補完するものであり、これにより国内においての重錘形圧力天びん(圧力標準器)製造における地位をより一層確固たるものとし、加えて製品ラインアップの充実と長野計器グループの販売ネットワークによる拡販が見込めるものと考えている。
(注1) 重錘形圧力天びん
圧力を高精度かつ安定的に発生できる装置であり、圧力校正の現場で標準器として広く用いられる。
高精度な性能を引き出すために繊細な扱いと熟練した製造技術を必要とする。
(注2) JCSS(校正事業者登録制度)
Japan Calibration Service System の略称。計量法に基づく計量法トレーサビリティ制度を表す。
(注3) 特定二次標準器
計量法で指定された指定校正機関が国家標準として保有する特定標準器によって校正された標準器。