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総医研HD、創薬ベンチャーのNRLファーマを約5億円で買収
総医研ホールディングス【2385】は、 NRLファーマの株式を取得し、子会社化すると発表した。
取得価格は、4億9500万円。
総医研ホールディングスは、身体や病気の状態を客観的かつ定量的に測定するための指標となるバイオマーカー技術を研究テーマとしており、その技術を主に食品等の臨床評価試験に応用して、多くの特定保健用食品の許可取得や機能性表示食品の届出に貢献してきている。また、総医研グループ は、バイオマーカー技術に基づくエビデンス(科学的根拠)の構築と活用に関する実績やノウハウ、医学界や医療界における幅広いネットワーク等を活かし、食品等のマーケティング支援、医薬品等の医師主導臨床研究の支援、化粧品や健康補助食品の開発及び販売、特定保健指導の受託をはじめとする健保組合が行う様々な取り組みの支援等にビジネスモデルを拡張してきている。
一方、NRLファーマは、多機能タンパクであるラクトフェリンの販売事業の展開とカビ由来の天然物アスコクロリン誘導体の医薬品としての開発を目的として1998年4月に設立されたベンチャー企業。ラクトフェリンをはじめとする機能性素材の加工および用途ならびに医薬品候補の化合物等に関する特許を多数保有している。現在、NRLファーマは、ラクトフェリンの腸溶加工技術および脂質代謝改善用途に関する特許を大手ヘルスケア企業に導出(ライセンスアウト)しており、そのライセンス収入およびラクトフェリン原料販売を主な収益源としている。
総医研ホールディングスがNRLファーマの株式を取得し、子会社化する理由は下記の通り。
1.ラクトフェリンは、脂質代謝改善、抗菌、抗炎症、免疫調節、新陳代謝向上等の多様な機能を有しており、健康補助食品、化粧品の何れにおいても有望な素材。総医研グループでは、健康補助食品事業においてはラクトフェリンを使用した健康補助食品を「イミダペプチド」に続く主力商品に、化粧品事業においてはラクトフェリンを使用した化粧品を「プラセンタ研究所シリーズ」に続く主力シリーズに育てたいと考えている。また、ラクトフェリンは、中国を中心とする海外市場においても注目度が高まっていることから、海外市場における総医研グループの提携先や現地代理店を活用し、ラクトフェリンを使用した製品を海外市場でも展開したいと考えている。
2.総医研グループはエビデンスの構築や普及に強みを有しており、一方、NRLファーマはユニークな素材の研究開発力に強みを有していることから、相互に補完することによる事業成果の拡大が期待できる。また、総医研グループでは、これまでは他社の素材を導入して製品化を行い、エビデンスに基づいて普及させていく形の事業を行ってきたが、NRLファーマの子会社化により独自性のある素材と研究開発力を持つことができる。今後は、両社のシナジーを活かし、新規素材の開発にも積極的に取り組んでいく。
3.総医研グループの有する製薬企業とのリレーションならびに学術界および医療界における幅広いネットワークを活用し、NRLファーマの有する医薬品候補の化合物の製品化に向けた活動を推進していく。なお、このような活動については、資金力やノウハウ等の観点から、総医研グループが主体となって治験等を実施して自社製品として承認を目指すことは現実的に困難であることから、製薬企業との提携を行ってシーズとして導出(ライセンスアウト)し、 ライセンス収入等を得る形で推進することを想定している。