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自動車部品の丸順と東プレが資本業務提携 丸順、約7億円の資金調達

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名証2部上場の自動車用プレス部品メーカー丸順【3422】は、東証1部上場の独立系プレス部品メーカー大手東プレ【5975】との間で資本業務提携を行い、並びに同社に対して第三者割当の方法により新株式の発行及び自己株式の処分を行うと発表した。
丸順は、第三者割当増資により約7億円を資金調達する。

丸順は、1952年7月に金型メーカーとして創業、その後自動車用プレス部品メーカーとして、部品の研究開発やその部品を生産するための金型、治具、検具の設計から製作・製造までを一貫して行い、自動車産業の発展とともに成長してきた。グローバル化の波が大きくなる中、自動車メーカーの海外展開にも積極的に対応しており、国内拠点に加え、海外では広州、武漢、タイに拠点を設けている。 丸順グループが属する自動車部品業界を取り巻く環境は、グローバル競争の激化、国内市場の縮小等により年々厳しさを増しており、丸順も徹底した業務効率化による国内収益の改善をはじめとする様々な施策に取り組み、国内事業の自主自立やグローバルでの競争力強化に努めてきたが、日本事業における売上高減少に伴う固定費負担比率増加による採算性悪化、北米事業における製造コストの不採算性による経営の圧迫等もあり、2015年3月期に重要な営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上した。このような厳しい収益状況から脱却し、持続的な成長を可能とするため、丸順は2015年5月15日に「丸順構造改革プラン」について発表し、経営資源の集中による事業ポートフォリオの変革、資産売却、要員削減及び工場集約により、外的環境変化に影響されない強い経営体質への脱皮を目指し、不採算事業からの撤退、固定費の削減を実施してきた。

以上の結果、 2016年3月期及び2017年3月期は営業利益及び経常利益は共に黒字に転換。しかしながら、「丸順構造改革プラン」を進捗させる中で、2016年3月期に北米事業の減損損失及び希望退職者募集に伴う割増退職金等の一過性の特別損失を計上した結果、2016年3月期に個別財務諸表では債務超過となった。2017年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は黒字に転換しているが、個別財務諸表における債務超過が継続しているなど財務状況が安定していない状況であり、エンジニアリング事業、精密・バッテリー関連部品事業及び海外事業の拡大並びに研究開発活動の拡充等の成長戦略を進める上で、成長資金の調達を含めた財務体質の強化が課題となってきていた。 「丸順構造改革プラン」の発表後の上記のような状況の中、丸順は、課題解決及び成長戦略加速のためのアライアンスパートナーの模索を行い、複数候補先に対して資本業務提携の打診を行った。候補先より得た回答を基に、実現性や課題解決の蓋然性、協業発展性、収益拡大の可能性を含め様々な角度から検討を行った結果、生産や購買面での補完効果、人材や技術の交流、経営ノウハウの共有等、総合的に最もとのシナジー(相乗効果)が発揮されると判断した東プレと2016年10月頃より様々な意見交換を行なってきていた。

東プレは、1935年4月にプレス加工を主とした鈑金事業からスタート、1962年8月に東京証券取引所市場第二部へ上場、1974年2月に東京証券取引所市場第一部へ指定されている。東プレは、コア技術であるプレス加工技術と金型設計技術を進化せ、自動車のプレス関連製品、冷蔵車・冷凍車などの定温物流関連製品のほか、住宅やビルの空調機器、キーボードやタッチパネルの電子機器の製造・販売を主な事業内容としている。

本資本業務提携により、今後必要となる設備投資資金を調達することができるとともに、東プレからの役職員の派遣等を通じた人材の交流や、経営ノウハウの注入等により、生産、技術、購買等の各分野でのシナジーが見込まれるため、本資本業務提携契約の締結について決定に至った。東プレも、丸順と協業を行うことで、生産、技術、 購買等の各分野でのシナジーが見込まれ、国内基盤の強化とさらなるグローバル化の拡大につながると判断し、今回の資本業務提携に至った。