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自動車部品のジェイテクト、富士機工にTOB実施 買付代金260億円を予定

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電動パワステ等自動車部品製造のジェイテクト【6473】は、ステアリング製造の富士機工【7260】の普通株式を金融商品取引法及び関係法令による公開買付けにより取得すると発表した。
買付け等の価格は、普通株式1株につき、740円。
買付代金は、約260億円を予定。

ジェイテクトは、2006年1月1日に、光洋精工と豊田工機が合併し、ジェイテクトとして発足。現在、ジェイテクトグループは、連結子会社131社及び持分法適用関連会社20社で構成されており、機械器具部品及び工作機械の製造販売を主な事業としている。
一方、富士機工は、自動車業界向けにステアリングコラム部品、シート部品、パワートレイン 部品の製造・販売の事業を展開。近年は特に、自動車市場の海外生産拡大傾向を捉え、グローバル経営体系を強化すると共に、製品開発の効率化や迅速化を図るべく、テクニカルセンターを鷲津事業所内に建設し、コスト競争力・製品開発力の更なる向上に努めている。

両社の関係は、2001年、ジェイテクト(当時の光洋精工)と富士機工が資本・業務提携を初めに、現在では富士機工がジェイテクトの持分法適用関連会社となっている。

事業面においては、富士機工が手掛けるステアリングコラムは、ジェイテクトの主力製品であるステアリングにおける主要部品ということもあり、両社は、お互いに重要なビジネスパートナーとして、資本・業務提携関係に基づき、従来から密接な関係を構築してきている。 また、両社をとりまく外部環境は、世界の自動車市場において新興国を中心とした自動車需要拡大による自動車生産台数の増加に伴い、自動車部品の需要増加も見込まれている。そうしたなか、足許の自動車業界においては、安全運転支援システム・自動走行システム等の次世代技術への対応を背景に、自動車部品に求められる機能は更に高度化・複雑化する一方、グローバルな競争に勝ち残るべく、低コストでの製品提供を実現することも重要になってきている。また、主要顧客である自動車メーカーの需要動向に柔軟かつ迅速に対応できるよう、生産効率を更に高める必要がある他、顧客の生産・調達・開発といったサプライチェーンのグローバル化への対応も求められている。このような外部環境の変化に対応するため、特に海外の自動車部品メーカーにおいては、近年買収等による合従連衡が進められており、競合環境は今後ますます激化していくものと見込まれる。

かかる状況の下、ジェイテクトは、グループとしての事業競争力をさらに高めていくことが必要であるとの認識に至り、2016年9月初旬、ジェイテクトより富士機工に対して本取引を提案。これを契機として、両社は、更なるグループ経営の推進による事業の強化や経営の合理化といった両社の企業価値向上を目的とした諸施策について協議・検討を重ねてきた結果、ジェイテクトが富士機工を完全子会社とすることにより、生産・調達ラインの効率化によるコストダウンや、対象者の事業・運営体制を十分に活かしつつ協働関係をより強固にすることで、①システム対応力強化、②開発体制の効率化と先端技術の開発強化、③マーケティング活動における連携と顧客基盤の強化・拡大のような相乗効果が期待され、本取引が成立した場合には、富士機工を含むジェイテクトグループ全体として、更なる収益基盤と事業競争力の強化により、企業価値向上が可能になるものとの結論に至った。