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メディアドゥ、ウェブブラウザー開発のLunascapeを買収 フロントエンドテクノロジー強化へ

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電子書籍取次のメディアドゥ【3678】は、ウェブブラウザー開発のLunascapeの全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。
取得価格は、3億7500万円。

メディアドゥは、電子書籍の領域において、数多くの出版社から預かった電子書籍コンテンツを電子書店に提供、配信しており、急成長している国内電子書籍市場の一翼を担うとともに、海外に向けて日本の優秀なコンテンツを配信するべく事業展開を推進している。

Lunascapeは、同社近藤秀和社長が2004年の経済産業省のイノベーション創出とIT人材発掘・育成事業である『未踏事業』 のスーパークリエータに認定されるとともに、2005年「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、国産ブラウザーの技術を牽引してきた会社。
今月には、世界最先端のブラウザー技術にウェブの最新技術を融合し、よりウェブとの親和性が高いブラウザーとして、Windows,macOS向け新型ブラウザー「Lunascape Phoebe」のリリースを予定しており、電子書籍配信機能なども搭載し、より快適で安全なウェブブラウジングを実現してゆく予定。

これまでメディアドゥは、電子書籍流通のための(1)電子書籍コンテンツ、(2)コンテンツのデータベース兼配信インフラ(md-dc)、(3)電子書籍ストア構築システム(MDCMS)、(4)自社開発のビューアアプリケーションの4つのソリューションを提供し、電子書店に必要な全ての要素をメディアドゥ1社で提供できる体制を整えてきたが、今回のLunascapeの子会社化は、『電子書籍×ブラウザー』によって、読者の電子書籍での読書インフラ環境、及び出版コンテンツのデジタル流通をさらに一歩前に進めるための大きなチャレンジといえる。

メディアドゥは、国際的な電子出版の動向としても、IDPF(国際電子出版フォーラム)とW3C(ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)の統合によって「パッケージとオンラインの融合」が起こってくることが予想されており、今後電子書籍UIにおいてブラウザーの位置付けが重要になってくるとの考えを示している。

今回の子会社化はサービスの側面だけでなく、Lunascapeとの技術交流によって、メディアドゥが得意とするサーバーやネットワークといったバックエンドテクノロジーに加え、エンドユーザーに最も近いフロントエンド領域のテクノロジーを強化することも大きな目的の1つ。またこれまでのブラウザーの枠を超えた次世代のコンテンツリーダーを視野に入れ、「AI」「IOT」「ブロックチェーン」等の先端技術を積極的に取り込んだ研究開発についても、幅広く対応していく予定。