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ゴルフ場経営の南国興産、特別清算開始決定

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南国興産は、2月3日鹿児島地裁より特別清算開始決定を受けた。申請代理人は、湯ノ口穰弁護士(弁護士法人照国総合事務所)。

南国興産は、昭和61年に、南九州市(旧・知覧町)の誘致企業として、鹿児島県を代表するバス事業会社である南国交通や、鹿児島県のトップ企業である総合商社の南国殖産が出資し、ゴルフ場経営を目的に設立された。平成3年にオープンした「知覧カントリークラブ」(18ホール)は、地元では格式高いゴルフ場として知名度は高かった。

しかし、「知覧カントリークラブ」の開業以来、毎期、3000万円から7000万円の営業赤字を計上。13年3月から一次募集会員の預託金償還が到来したため、会員に対する分割償還や南国交通などグループ企業に会員権を購入してもらうことで対応した。17年頃には南国交通からの資金援助もあって金融機関からの借入金を弁済したが、売上低迷や金利負担などから赤字が継続、南国交通などからの借入金や出資は約20億円に達していた。

また、景気悪化の影響に加え、レジャー形態の変化からプレー客が減少。値引きによる集客促進を図ったこともあって利用単価も下落し、28年3月期の年収入高は約3億900万円にまで落ち込んだ。この間、人件費抑制を目的としてセルフプレーを推奨するなど立て直しを図っていたものの、赤字解消には至らず、同期末時点で約19億9900万円の債務超過に陥っていた。

業績回復の見通しがつかないことから、28年12月1日に、会社分割により、南国リゾート(南国殖産70%、南国交通30%出資)へゴルフ場の運営を移譲。12月31日の株主総会決議で解散していた。

東京商工リサーチによると、負債総額は約79億円だが、今後グループ会社の会員預託金と借入金の債務免除を受け(ともに40%)、約48億円に減少する見込み。