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元・鍛造品、鉄鋼、鋳鉄メーカーのKK資産管理会社、特別清算開始決定
KK資産管理会社は、1月17日東京地裁から特別清算開始決定を受けた。
KK資産管理会社は、昭和10年に奥原工作所として創業、20年に東洋螺子製作所として法人化した。鋼塊(ブルーム:精錬の後、鋳型に流し込んで固形化させた金属塊、鋼材を圧延、鍛造して製品化する前段階の素材)の製造を軸に、各種産業用機械・部品、環境装置などの製造を展開。主力の鋼塊は、電気炉の増設などの設備投資を行い、品質の高い供給体制を整えてきた。その一方で、最新鋭の工作機械の導入などの生産・加工設備を充実させて、各種産業用機械・部品のほか、造船向けのアンカー、チェーン、化学機械などの製造も手掛けるなどした。素材・半製品から製品までを扱う総合鉄鋼メーカーとして、産業機械、建設機械、自動車、造船メーカー等に販路を構築、平成20年11月期には売上高約269億円を計上していた。また、派生事業や製造部門の分社化や飲食店、ゴルフ場経営などへも進出して、コトブキ・グループを形成。19年7月には、共同出資で日本初の鍛造用鋼塊(インゴット)メーカーとなるアジア特殊製鋼を設立、韓国のマーケットを対象に大型船舶や産業機械、風力発電設備などの高強度部品の素材の提供を開始した。
しかし、以降はリーマン・ショックの影響を受けて、自動車をはじめ国内メーカーの大幅な業績悪化から供給量が大きく落ち込んだうえ、積極的な設備投資やグループ企業の資金調達の窓口として、金融機関からの借入金が重荷となっていた。
こうした中、アジア特殊製鋼は当初の操業計画を延期するなど事業を軌道に乗せることができず、23年夏場以降の円高ウォン安が直撃し受注は激減したことで、24年4月に負債約205億円を抱え破産申請した。
当社は、アジア特殊製鋼より原材料の供給を受け、約160億円の債務保証を行っていたため影響は大きかった。そのため、多額の投資を行っていた北九州製作所から撤退、24年11月期には売上高約171億円に落ち込み、約25億円の赤字を計上。
遊休不動産の売却など自力再建を続けてきたが、25年9月に地域経済活性化支援機構から再生支援を受けることとなる。再生スキームのなかで、会社分割により新会社を設立し、事業を譲渡。当社は26年2月に現商号に変更、28年11月の株主総会決議により解散、今回の措置となった。
東京商工リサーチによると、負債総額は推定220億円。