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ガス設備工事のTKK、特別清算開始決定
TKK(旧:大阪装置建設)は、12月20日東京地裁に特別清算を申請し、12月22日開始決定を受けた。申請代理人は吉田広明弁護士(北浜法律事務所東京事務所)。
TKKは、明治28年創業のガス管埋設工事業者で、大阪瓦斯の指定工事業者として同社からの受注を中心とするガス設備関連工事のほか、食品・化学・薬品等のプラント工事・メンテナンス、各種水門や橋梁、さらにごみ焼却施設などのエンジニアリング事業を手掛けてきた。自社工場で製作、溶接などを手掛け、一部外注を利用しながら製造体制を整備。大手企業の工場内に拠点を構え適宜営繕工事等を行うなど営業基盤を確立し、平成9年3月期には完工高79億2694万円を計上していた。
しかし、その後はガス以外のエネルギー多様化やリーマン・ショック以降の企業の設備投資減少を受けて減収基調となり、23年3月期には完工高29億5902万円に低下し当期純損失を計上。さらに、金融債務も年商を大きく上回る水準となり、財務面も不安定な状態に陥っていた。
こうした中、金融機関の支援を受け事業再生を目指し資産の売却などを進める一方、コージェネレーション設備等に活路を求めるなどして28年3月期は完工高33億5265万円、当期純利益約7300万円を計上するまでに業績は回復した。
この間スポンサーを模索し、28年9月30日、新出光とエネルギー事業の強化を目的に株式譲受契約を締結。10月31日開催の株主総会の決議により解散していた。
帝国データバンク及び東京商工リサーチによると、負債総額は約39億9000万円。
なお、現在はスポンサーの支援のもと、会社分割により新たに設立された大阪装置建設で事業を継続している。