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大日本住友製薬、米国子会社が医薬品ベンチャー企業を約643億円で買収
製薬メーカーの大日本住友製薬【4506】は、米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下「サノビオン社」)が、2016年8月31日(米国東部時間)、Cynapsus Therapeutics Inc.(以下「シナプサス社」)の発行済株式およびワラントのすべてを、プラン・オブ・アレンジメント(Plan of Arrangement:カナダ法上認められている友好的企業買収手法)の手法により現金で取得し完全子会社化することを、シナプサス社と合意したと発表した。なお、株式、ワラント及びストックオプションを含めた本買収の取得価額の総額は約643億円となる予定。
シナプサス社は、中枢神経領域の医薬品開発に特化したベンチャー企業であり、開発中のパーキンソン病治療剤「APL-130277」(開発コード、一般名:アポモルヒネ塩酸塩)を有している。アポモルヒネ塩酸塩(ドパミン作動薬)はパーキンソン病におけるオフ症状を一時的に改善するレスキュー薬として米国において唯一承認されている注射剤の有効成分であり、APL-130277は、アポモルヒネ塩酸塩を有効成分として含有する舌下投与のフィルム製剤である。
現在、パーキンソン病におけるオフ症状を対象として、北米で2本の第Ⅲ相臨床試験を実施中であり、2017年前半(1-6月)に米国食品医薬品局(FDA)に新薬承認申請(NDA)を行うことを目指しており、また、2016年内に欧州において第Ⅲ相臨床試験を開始する予定となっている。
サノビオン社は精神神経領域をフランチャイズの一つとして注力しており、非定型抗精神病薬「ラツーダ」および抗てんかん剤「アプティオム」を販売している。シナプサス社を買収することにより、当領域での有力なパイプラインを獲得することができ、2019年に独占販売期間が満了する「ラツーダ」の減収の一部を補うことが期待されている。