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田中化学研究所、住友化学に対し第三者割当による新株発行 さらなる提携関係強化へ
正極材料を開発する化学工業メーカーである田中化学研究所【4080】は、大手総合化学メーカーの住友化学【4005】)に対して第三者割当による新株式の発行を行うと発表した。なお、今回の増資による調達金額は6573百万円。
田中化学研究所は、ニッケルやコバルト、マンガンの化合物を中心に、電池材料、電子材料、触媒材料、表面処理材料、燃料電池材料など高付加価値の機能性化学材料の研究開発及び製造を行っている。しかしながら、二次電池正極材料の専業メーカーという事業形態であることから、同社の業績は主要二次電池市場の動向に大きく影響を受け、当面の主要市場である民生用市場における需要の伸び悩みや新興国を中心とした正極材料メーカーの台頭による価格競争激化などの要因により、平成24年3月期より連続して営業損失を計上した。
こうしたなか、田中化学研究所は、平成25年3月に、住友化学と資本業務提携契約を締結、両社で環境対応車向けを中心とした次世代リチウムイオン二次電池の正極材料の共同開発及びシナジー効果の実現を進めてきた。
今般両社においては、資本業務提携契約に基づくこれまでの次世代リチウムイオン電池の正極材料を中心とした共同開発が順調に進捗していること、及び今後のリチウムイオン二次電池市場が、ハイブリッド自動車、プラグイン・ハイブリッド自動車、電気自動車などの省エネルギー環境対応車市場の成長と共に中長期的に大きく成長する期待が持たれていること、更には、これらリチウムイオン二次電池市場の成長に伴う需要の増加に対応するためには、田中化学研究所として需要増加に見合う生産体制を構築するための設備投資や販売力の強化、研究開発体制の一層の充実をタイムリーに行う必要があり、そのための資金手当を含めた田中化学研究所の財務体質の強化が必要と判断、資本業務提携関係の一層の強化を行うことに合意し、住友化学を引受先とした第三者割当増資を実施するもの。