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ハウス食品、ギャバンに対するTOB開始 完全子会社化へ

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香辛・調味加工食品や健康食品を扱うハウス食品グループ本社(以下「ハウス食品グループ」)【2810】は、香辛料の輸入・製造販売などを手掛けるギャバン【2817】の普通株式を公開買付けにより取得すると発表した。ギャバンはこの公開買付けに賛同の意見を表明しており、ギャバンの親会社である味の素【2802】は、この公開買付けに応募する契約締結を発表している。買付け等の価格は、普通株式1株につき、金710円。

ハウス食品グループは、香辛・調味加工食品の製造・販売及び付随する事業、健康食品の製造・販売及び付随する事業、レストラン経営及び付随する事業、食材・農産物加工品等の輸出入販売、総菜等の製造販売、運送・倉庫業、食品の安全・衛生に関する分析、野菜農産物の生産・販売、並びに海外における食品の製造・販売及び付随する事業を展開している。

一方ギャバンは、昭和29年3月に「香辛料の製造および販売」を目的として、当時エイト食品の商号で設立され、その業務内容はブラックペッパー、ホワイトペッパー、マスタード、シナモン等を主力製品として営業を開始した。平成13年12月に朝岡香辛料と合併し、外食産業向けに加え、食品メーカー向けにも販売先を拡大し、総合香辛料メーカーとして成長してきた。その後平成16年8月に、ハウス食品グループ、味の素と3社間の業務提携契約を締結、ハウス食品、味の素からの人材の受入や、ハウス食品グループを通じてギャバンブランドの国内家庭用製品の販売を行ってきた。平成18年5月に味の下の連結子会社となった後は、味の素グループの一員として事業を推進し、味の素グループと営業面において連携を取ること等で、販売量の増加を実現してきている。

しかしながら、食品業界においては、消費の二極化が進むなか円安や新興国需要の増加等から原材料価格が高い水準で推移し、依然厳しい状況が続いている。ハウス食品グループにおける家庭用香辛料事業及びギャバングループの業務用香辛料事業の市場規模は漸増しているが、同業他社との競争が激化しており、両社を取り巻く環境は共に厳しさを増している。一方、中国、東南アジアを中心とした海外市場は成長著しい状況にあり、両社にとって、いかに海外市場における事業拡大のスピードを高められるかが経営課題となっている。

こうした状況の中、ハウス食品グループと味の素との間でギャバンの企業価値向上策について協議を行う過程で、ハウス食品グループによるギャバンの子会社化が、同社の企業価値向上のための有力な選択肢として浮上した。

ギャバンが創業時より培ってきた「調達力」、「ブランド力」と、ハウス食品グループの有する「研究開発力」、「品質管理技術」の更なる有効活用を通じて、現状の業務提携関係を超えて、ギャバンを完全子会社とすることで、両社の成長力及び競争力を一層強化することが可能となるとの認識で一致、ギャバンを完全子会社化することを目的として、本公開買付けを実施するもの。