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武田薬品工業、がん免疫療法開発ベンチャーに出資

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国内製薬首位の武田薬品工業【4502】と山口大学発ベンチャーのノイルイミューン・バイオテックは、今回、次世代型キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T)療法に関する提携契約を締結、武田薬品工業はノイルイミューン・バイオテックに出資を行うと発表した。

この次世代型CAR-T細胞療法技術は、山口大学玉田耕治教授により開発され、ノイルイミューンが独占的に権利を有する基盤技術で、サイトカイン、ケモカイン等を産生する機構を有しており、がん治療の効果を高めるため固形がん組織の微小環境に影響をあたえるまたは変化させることが期待されている。本契約により、武田薬品とノイルイミューンは、幅広い種類のがんの治療に向け、この技術を活用した新たなCAR-T細胞免疫療法の研究開発を行う予定。

ノイルイミューンの石﨑秀信社長は、「この技術は、当社の創業者であり取締役CSMOでもある山口大学医学部免疫学教室の玉田耕治博士により開発された、固形がんに対する革新的な治療法開発のための基盤技術です。今回の武田薬品との提携は、本技術を活用した治療法を早期にがん患者様へ届けるための重要な一歩となると確信しています」と述べている。

武田薬品とノイルイミューンは、本提携下、CAR-T細胞免疫療法の研究開発を加速するための共同研究を実施。武田薬品は、本共同研究の実施に必要なリソースの提供に加え、ノイルイミューンへの技術アクセス料の支払い、株式投資を行う。

武田薬品は、本提携により共同研究される複数のパイプラインに加え、ノイルイミューンの一部パイプラインの開発および販売権を独占的に獲得するオプション権を有する。さらなる契約の詳細については非開示。

武田薬品のOncology Drug Discovery UnitのHeadであるChristopher Arendt氏は、「当社の重点領域の一つであるがん領域における画期的な治療薬を創出するにあたり、次世代型CAR-T細胞療法技術は大きな可能性を有していると考えています。本共同研究は、最先端の技術に積極的に投資し、外部の素晴らしい研究者と協同し、がん患者さんの治療ニーズを満たす治療に取り組むという当社戦略の一例です。ノイルイミューンの研究チームは、最先端の研究施設である当社湘南研究所において活動を予定しており、革新的な細胞免疫療法の開発を加速させるため当社研究員とともに活動していきます。当社は、優れた業績をもつノイルイミューンの研究チームと共同研究できることを大変嬉しく思います」と述べている。

武田薬品は、100%子会社であるMillennium Pharmaceuticals, Inc.を通じ、ノイルイミューンと契約を締結している。

<ノイルイミューン・バイオテック株式会社について>
ノイルイミューン・バイオテックは、国立がん研究センターおよび山口大学発ベンチャーで、山口大学・玉田耕治教授の開発した次世代CAR-T細胞を中心としたがん免疫療法に特化して日本発の画期的ながん免疫治療薬の開発を目指している。ノイルイミューンは新規がん免疫治療薬の迅速な開発、事業化に取り組み、国立がん研究センターや山口大学と提携することで早期臨床開発を加速化させ、新規治療を待ち望む全てのがん患者さん達にいち早く還元することを目的に設立された。
CAR-T細胞はがん細胞表面抗原を認識する一本鎖抗体とT細胞の活性化を誘導する分子の細胞内シグナル伝達領域を融合させたキメラ抗原受容体(Chimeric Antigen Receptor: CAR)をT細胞に遺伝子導入し作成する。従って、CAR-T細胞は、がん細胞を特異的に認識し活性化・増殖してがん細胞を殺傷する。