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豊田通商、シンガポールのオンデマンド配車サービス企業に出資
トヨタ系の総合商社の豊田通商【8015】は、新たなモビリティサービス領域における協業推進を目的に、シンガポールのオンデマンド配車サービスのGrab Inc.(グラブ インコーポレイテッド)へ出資したと発表した。
近年、デジタル技術の発達やスマートフォンなどのモバイルデバイスの普及により、カーシェアリングサービスやタクシー配車サービスの他、個人が所有する自家用車を活用するライドシェアサービスが、多くの国・地域で急速に発展している。東南アジア各国でも、公共交通インフラの未整備を背景に、こうした新しい移動サービスが急拡大し、新たな市民の足として定着しつつある。
グラブ社は、2012年に創業した東南アジア最大のオンデマンド配車、およびモバイルペイメントサービス提供企業。東南アジア7ヶ国・87都市のタクシー・自家用車・バイクに対して配車サービスのプラットフォームを提供し、1日当たり乗車数は300万人に達している。また、同地域でのタクシー会社以外の企業が提供する配車サービスの95%、自家用車両配車サービスの72%のシェアを占めている。同社アプリのダウンロード数は5500万件、登録ドライバーは120万人に上る。
東南アジア各国で、自動車販売・サービス、テレマティクスなどの自動車関連事業を展開する豊田通商は、このたびの出資により、同地域での新たなモビリティサービス領域における戦略的協業を推進。コネクテッド、フリート車両の供給、保険などの領域で、今後具体的な協業内容を検討していく。
豊田通商は、2017年4月に、次世代自動車に関連したビジネスの開発・推進を行うための体制を整備し、CTO*直轄の全社横断の専門組織「ネクストモビリティ推進部」を新設、全社を挙げて新たなモビリティ事業の開発を加速させている。また、豊田通商が扱うあらゆる分野の革新的技術・商品・サービスに対して機動的に投資を行い、市場を開拓するために 「ネクストテクノロジーファンド」を設立し、ファンド業務を行う「ネクストテクノロジーファンド推進室」を設置した。
このたびのグラブ社への出資は、「ネクストテクノロジーファンド」の第1号案件となる。
*CTO: Chief Technology Officer(最高技術責任者)