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オムロン、米国産業用コードリーダーのマイクロスキャン社を買収

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感知・制御技術が基盤のオムロン【6645】は、製造現場においてあらゆるモノ(部品、機械)をIoT化し設備や生産ラインの制御を進化させることを目的に、産業用コードリーダーのリーディングカンパニー「マイクロスキャン システムズ社」(以下、マイクロスキャン社)を買収すると発表した。買収の完了は2017年10月上旬の予定。

マイクロスキャン社は、バーコードリーダーや2次元コードリーダー、ベリファイ機器(※1)など多様なコード読取機器を開発し、米国を中心にグローバルに事業を展開する、産業用コードリーダーのリーディングカンパニー。製造現場において製品に直接刻印・印字されたコードを表面の粗さや光沢、曲面などの影響を受けずに安定して読み取れる、業界トップクラスのアルゴリズム技術を有している。

オムロンは、マイクロスキャン社をグループの一員に招くことで、製造現場においてあらゆるモノ(部品、機械)の情報をコード化し、多様化する消費者ニーズに応えるフレキシブルなモノづくり環境を実現すると共に、頻発する品質問題の解消をトレーサビリティで支援することで、顧客企業各社と共に安心・安全な社会づくりに取り組んでいく。

近年、製造業では、製品に対する安心・安全ニーズの高まりや品質問題の解消に向け、トレーサビリティの厳格化や、EICC(※2)など製品の安全に対するガバナンス確立への取組みが進んでいる。また、消費者の嗜好が多様化し、最終製品のパーソナル化が進む中、多品種少量生産や製品一個単位のカスタム生産を支える”個体管理”の重要性が高まっている。そのため、様々な業界で製品や部品単体への”IDコード”の付与が急速に拡大し、製造現場でコードを読むためのコードリーダーへの要求が高度化している。たとえば、自動車業界ではエンジンブロックやシリンダ等光沢のある金属部品に二次元コードが直接刻印されるなど厳しい条件下で堅牢性の高いコード読取が求められ、デジタル機器業界では機能部品ごとにID管理が行われコンパクトで精度の高いコードリーダーが必要となっている。また、医薬品業界においても、偽造防止や安全性向上の観点から、薬品一つひとつにコードを刻印する個体管理が進んでいる。

オムロンは、今回の買収により、業界トップクラスの2次元コードの読取技術を搭載した多様なコードリーダーとオムロンが誇る幅広い制御機器によるオートメーション技術を統合し、各業界の課題に即したトータルソリューションをパッケージで提供していく。また、両社が保有する販売網を相互に活用し顧客企業各社に最適なソリューションを提供していく。

オムロンは、ファクトリーオートメーションのリーディングカンパニーとして画像処理センサーなどの入力機器から、各種コントローラー、サーボモーターなどの出力機器をはじめ安全対策機器、各種産業用ロボットまで幅広い機器を有し、これらをソフトウェアで組み合わせた独自のオートメーション技術を世界中の製造現場に提供してきた。現在は、こうした技術と機器群をベースに、3つの”i”、「integrated(制御進化)」、「intelligent(知能化)」、「interactive(人と機械の新しい協調)」からなる戦略コンセプト”i-Automation!”※3を掲げ、製造業のモノづくり現場の革新に取り組んでいる。オムロンは、今後、コードリーダーで読み取った様々なモノの情報を、IoTサービス基盤「i-BELT」に接続する等、製造現場レベルで簡単に収集・分析・活用する環境を提供し、 “i-Automation!”を実現する鍵となるモノづくり現場の「intelligent(知能化)」を顧客企業各社と加速させ、生産性と品質を飛躍的に向上させていく。

◆マイクロスキャン システムズ社の概要
社名:マイクロスキャン システムズ社
代表者:スコット サマービル
創業:1982年
事業内容:産業用コードリーダー、ベリファイ機器、スマートカメラの開発・製造・販売
(英スペクトリス社の100%子会社)
従業員数:192名
所在地:
本社 米国ワシントン州レントン
支社 米国ニューハンプシャー州ナシュア、オランダ
販売拠点 シンガポール、中国、インド、韓国、ドイツ、フランス、メキシコ、ブラジル

※1 べリファイ機器
コードが規格通りの品質で印字されているかを検査するコード検証機器
※2 EICC
電子業界行動規範(Electric Industry Code of Conduct)
電子機器業界のサプライチェーンにおいて、労働環境が安全であること、そして労働者が敬意と威厳を持って扱われること。さらに製造プロセスが環境負荷に対して責任を持っていることを確実にするための基準を規定したもの。
※3 “i-Automation!”
オムロンは現在、製造業のモノづくり現場を革新するコンセプトを”i-Automation!”と呼び、次の3つの”i”からなる オートメーションの進化によって製造現場の生産性を飛躍的に高め、付加価値の高いモノづくりの実現を目指している。「Integrated(制御進化)」は、これまで熟練工に頼っていた匠の技を、誰もが簡単に実現できるよう、オートメーション技術を進化させる。「intelligent(知能化)」は、幅広い制御機器とAIを活用し、機械が自ら学習して状態を保全するなど、進化し続ける装置や生産ラインを実現する。「interactive(人と機械の新しい協調)」は、同じワークスペースで人と機械が共に働き、機械が人の動きや考えを理解しアシストするなど、人と機械の新しい協調関係を提供する。