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住友林業、神戸製鋼所子会社の介護事業会社を買収 介護事業拡大へ
新築注文住宅と木材建材事業の住友林業【1911】は、鉄鋼業で高炉国内3位の神戸製鋼所【5406】の子会社で介護事業を営む神鋼ケアライフの発行済株式66.7%を取得すると発表した。
神鋼ケアライフは、神戸市を中心に介護付有料老人ホーム事業、及び在宅介護サービス事業を展開。住友林業グループは今回の株式取得を通じ、介護事業の拡大を推進していく。
住友林業は2019年3月期を目標年度とする「住友林業グループ中期経営計画2018」の中で、介護事業を注力分野のひとつに掲げている。現在、連結子会社で有料老人ホームの運営を行うフィルケアを中心に、2019年3月期までに有料老人ホームを現在の12施設から20施設へ、デイサービスを3施設から10施設へ増設することを柱とした事業規模拡大を推進している。
今回の株式取得は超高齢社会の進展による介護市場拡大と、医療・介護保険制度改革を背景にしたニーズの多様化に早急に対応するため、介護事業の業容拡大をめざすもの。神鋼ケアライフが運営する大規模・医療連携型の自立高齢者向け有料老人ホームに加え、介護保険外のサービスも含めた在宅介護サービスへ進出し、認知症対応や医療的サービス等の介護ニーズの多様化に対応できる体制を整える。また、阪神エリアでの事業基盤の確立も目的としている。
神鋼ケアライフの有料老人ホームは、医療機関との連携を背景とした高度で質の高いサービスを提供しており、また、在宅介護サービスでは地域に密着したサービスを提供し、地域包括ケアシステムの重要な役割を担っている。
住友林業グループは2012年4月、高齢化社会関連事業などの住生活に関する周辺事業の活性化をめざし生活サービス本部を新設し、関連グループ会社を含め高齢者ビジネスを推進する体制を強化。住宅事業で培った住まいに関するノウハウや、内装の木質化をはじめ木や緑の活用による健康面・情緒面での効果など筑波研究所での研究成果を施設に取り入れている。
今回の株式取得は、両社の確固たる協働関係を確立し、神鋼ケアライフが神戸市で築いてきた信頼を継承し、今後も入居者、その家族に安心な介護サービスを提供するとともに、筑波研究所の研究成果や、IoT社会を見据えた在宅介護に資する技術を共有・発展させる事で、シナジーを追求することを目的としたもの。