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『様々な人々の期待に応える』という経営理念の実現を目指す | 株式会社ラックランド 代表取締役社長 望月圭一郎 インタビュー前編

望月圭一郎 ラックランド keiichiro_mochizuki_luckland

M&A戦略による内製化を通じて業容を拡大

商空間の企画制作集団として成長を続けるラックランド。設備・内装・建築・厨房・冷凍設備など多様な分野のプロフェッショナルが結集し、クライアント企業のビジネスを支援している。そのフィールドは、実に幅広い。店舗施設、商業施設、食品工場、物流倉庫、文化施設、さらにはアミューズメント施設、宿泊施設なども手掛けている。

注目すべきは、それだけではない。業績の拡大も著しいのだ。事実、2016年は過去最高売上となる349億円を達成。2011年の売上が157億ゆえ、2倍以上も伸びている。2015年には東証一部上場をも実現しているだけに、名実ともに業界を代表する企業といえよう。

そんなラックランドの代表取締役社長を務めているのが、望月 圭一郎氏だ。2000年東京理科大大学院経営学研究科 修士課程修了、2001年同社入社。2002年管理部企画室長に昇格。その後もじっくりとキャリアを積み重ねていく予定であったが、2004年3月父親である望月 昭前社長の急死に伴い、わずか28歳という若さで社長に就任している。

「ラックランドは、1970年に『日本の食文化の向上に貢献すること』を目的に設立されました。当初は、業務用冷凍冷蔵庫の卸販売とメンテナンスからのスタートでした。その後、ラックランドが成長できたのは、『様々な人々の期待に応える』という経営理念を実現するために努力し、チャレンジし、仲間たちを集め、お客様と向き合ってきた結果であると思っています」

今や、ラックランドは国内・海外合わせて21社がグループ会社として名を連ねる。人々が楽しく、健康で、そして人間らしく生きていけるよう、必要な技術をすべてグループで創り出せる体制が構築できている。まさに、専門家のモール(集団)といえる。その過程で望月社長が進めてきたのが、M&A戦略による内製化であった。

M&Aを将来への基盤づくりの原動力に

望月社長が、M&A戦略に取り組んできた理由は何であったのか。以下の言葉に、その意図が窺える。
「人々が喜んでいる姿を創り出すのがラックランドのミッション。ならば、我々は生活を支える、生活を創り出す企業でありたいと幅を広げてきました。ビジョンや想いがあっても、力がなければ何もできません」
「M&Aの源流になる考え方は、先代からありました。ただ、実際にM&Aを行うようになったのは、私の代からです。それがまさに、我々の進むべき道、人々の期待に応えるためには何をするかであったんだと思います」

底流にあるのは、時代が大きく変わりゆくなか、どうすれば生き残っていけるかという危機感だ。
「時代が変わって、生活も技術もどんどん変わっていく。そのなかで本質は何だろうと常に考えてきました。人々の喜びや幸せのためにも次元を上げていかなければと。対応していかないと我々は時代からいらない存在になってしまう。その危機感をいつも持っていました」

実は、望月氏は社長に就任して数年後に大きな挫折を経験している。2006年に東証二部から一部への市場変更を申請したものの、売上未達で断念。その後、売上は年々ダウンし遂に2008年には初めて営業赤字・最終赤字を記録してしまったのである。

「経験としては、ものすごいことを教えられました。結局は力がなくてはいけないんだと。自覚していたつもりでしたが、勉強させられましたね。その時、僕が言ったのは、『ありがたいことに先代が残してくれた食料が倉庫にある。それを使わせてもらい、次なる基盤を作り上げていくことが我々のやるべきことなのではないか』ということでした」。

その積極的な基盤づくりを支えることになったのが、M&Aと若手人材の継続的な採用であったという。

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