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昭和シェルと出光興産、協働事業を強化・推進 統合へ向け再開・加速へ

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石油元売り大手の昭和シェル石油【5002】と同じく石油元売り大手の出光興産【5019】は、経営統合に先立ち企業グループを形成して協働事業を強化・推進(以下「アライアンス」)することに関し、趣意書を締結したと発表した。

両社を取り巻く環境は、より厳しさを増しており、特に石油精製、販売の分野においては、需要の減退を主因として、両社のみならずこれまで共に歩んできた特約店や販売店、運送会社、協力会社の現在及び将来の経営に対し多大な影響を及ぼしている。こうした認識を踏まえ、両社は従前どおり本統合の早期実現を目指しつつ、本統合が実現するまでの時間も最大限有効に活用し、両社の企業価値をさらに向上させるべく、シナジー効果の先取りを図ることを目的として今回のアライアンス締結に至った。両社は対等なパートナーとしてアライアンスを組み、本統合に向けた各種プロセスを再開又は加速しながら、広範囲にわたって協業を深化させていくと同時に、この過程を通じて、両社従業員による会社組織を超えた交流・融和を促進していく。これらの活動により、両社グループの更なる競争力向上に努めていく。

両社は、アジア屈指の競争力を持つ企業グループとして、環境変化を先取りし、弛まず自己改革に取り組み、果敢に次代の創造に挑戦することを本協業におけるアライアンス・バリュー(価値観)とし、アライアンス名を「Brighter Energy Alliance(ブライターエナジーアライアンス)」と定めた。

◆アライアンスの内容
(1)国内石油事業における統合シナジーの追求
本統合にむけた準備の一環として以下の案件を協議し、積極的に実施していくことを通じ、協業により統合シナジー効果の先取りを実現する。

・原油の調達と輸送の最適化
・生産計画の最適化
・生産最適化のための製品・半製品の相互融通(両社製油所の定期修繕期間を含む)
・物流分野における配送効率化(陸上、海上)
・精製コストの削減
・エネ、精製マージン改善施策のベストプラクティスの展開
・製造部門の共同調達の推進による調達コストの削減

(2)シナジー目標
両社は、早期に本統合を実現し、その効果として2015年11月に公表した統合効果である5年以内に年間500億円のシナジーを達成することを目指す。その一環として、2017年4月から3年以内に年間250億円以上のシナジー創出を目指していく。

(3)重複分野における事業戦略のすり合わせ
本統合後に両社で重複することになる各事業分野(原油調達、精製、供給、物流、販売、コーポレート部門)については、本統合実現までの間に両社で戦略のすり合わせを行い、顧客価値を向上させ、より効率的で競争力のある企業となるための方策について協議・検討を行う。
なお、販売事業については、各社の体制を直ちに変更するものではなく、当面は個社を基本に据えた事業活動を行うことを考えている。

(4)アライアンスグループ及び統合新社の戦略検討
両社は、企業グループとして、事業の効率性及び競争力強化に資する可能性のある取組みや、中長期経営戦略、事業計画、投資計画等について両社トップマネジメントが参加する「戦略トップミーティング」等を通じて、前広かつ精力的に検討を進めていく。

(5)人的融和の推進
両社でこれまで実施してきた各階層でのワークショップを再開させ、両社の文化、行動規範及び仕事の進め方の違いを相互に認め合い、その上で本統合後の文化、行動規範及び仕事の進め方を探求していくことで人材の融和を図る。既に両社社員 800名が参加しており、本年度中に1,500名まで拡大していく予定。

(6)お客様視点での新たなサービス開発
両社は、特約店、販売店の皆様を通じ多くのお客様を有しており、本協業を通じ新たな視点でのリテール開発タスクチームを立ち上げ、お客様の利便性、サービス向上に向けた商品・サービスを開発する。

(7)社会貢献活動の一層の推進
両社は、社会貢献活動の分野においても協業をしていく。現在、両社で実施している地域貢献活動、次世代育成に共同で取り組み、規模を拡大していく。 (例:製油所・事業所近隣地域で実施しているコンサートの拡大、就学生を対象とした教育機会の拡大)

(8)低炭素社会実現への取り組み推進
両社は、化石燃料を取り扱う企業として、従前より地球環境負荷の低減に取り組んできている。両社が有する幅広い再生可能エネルギーメニュー(ソーラー、地熱、バイオマス、風力、研究テーマ(人工光合成、リチウムイオン電池)等)を活かした新たな二酸化炭素削減策を策定していく。