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大塚製薬、米国バイオベンチャー「ニューロバンス社」買収 中枢神経領域のポートフォリオを拡大

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大塚ホールディングス【4578】傘下で医薬品開発・製造の大塚製薬は、大塚製薬の100%子会社である大塚アメリカインク(以下「OAI社」)が米国のNeurovance, Inc.(以下「ニューロバンス社」)を完全子会社化すると発表した。

合意内容に基づき、大塚製薬はニューロバンス社株主に対し、本買収の対価として本買収完了時に約11394百万円(100百万米ドル)を支払うとともに、将来、ニューロバンス社が注意欠陥・多動性障害(ADHD:Attention Deficit Hyperactivity Disorder)治療薬として開発中の化合物「センタナファジン(開発コード:EB-1020)」の進捗に応じた開発マイルストンとして最大約17092百万円(150百万米ドル)を支払う。さらに発売後は、売上高に応じた販売マイルストンを支払うとしている。

ニューロバンス社は2011年にEuthymics Bioscience(ユーセミクスバイオサイエンス社)から独立した、成人と小児のADHD治療薬として開発中の「センタナファジン」を保有する会社。同薬は、ノルエピネフリン、セロトニンおよびドパミンの再取込を抑制する「トリプル再取込阻害」という作用機序を持ち、米国における臨床第2相後期(P2b)試験では、成人ADHD患者を対象に実施した結果、ADHD評価スケールが有意に改善している。(現在、臨床第3相試験準備中)

ADHDは、不注意(散漫性、物忘れ)、多動性・衝動性(そわそわする、落ち着きのなさ)を特徴とする発達障害。現在、米国では精神刺激薬が主に処方されているが、中枢興奮作用および精神依存性や薬剤耐性が課題で、ときには乱用などが問題視されている。刺激薬と同等の有効性を持ちながら、非刺激薬と同じ忍容性で乱用の懸念が少ない薬剤が求められており、トリプル再取込阻害というユニークな作用機序を持つ「センタナファジン」の上市が期待されている。