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ワンストップサービスでポストM&Aを支援 / インタビュー後編

TOMAコンサルタンツグループ株式会社代表取締役藤間 秋男

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「クレド経営」を実践して理念を浸透させる

TOMAがM&Aアドバイザリー業務で提供するサービスは、買収側に対してはM&A戦略支援立案、ストラクチャリング、エグゼキューション、デューデリジェンス、経営統合、企業価値評価、統合比率評価、買収後の会計監査・内部監査など。売却側にはベンダーアシスタンス、デューデリジェンス、企業価値評価、統合比率評価などを提供している。

TOMAの目的は会社の継続だけに、ポストM&Aのサポートにも重きを置いている。これに投入されるのが「100年企業創りワンストップ体制」と称するワンストップサービスだ。経営計画、人事制度、組織再編、年金基金、グループ内管理会計、税務デューデリジェンス、ITシステム、定款整備、外国人雇用、海外税務などをサポートし、M&A効果の最大化に取り組んでいる。

だが、仕組みを統一できたところで、理念の浸透という課題が残る。理念が浸透しない限り、売却された側の社員は面従腹背にもなりかねないが、「理念の浸透には1~2年かかる」(藤間氏)という実情を踏まえ、TOMAも実践する「クレド経営」を指導している。クレド経営とは、会社の理念や価値観を明文化し、それを記載したクレドカードを社員に携帯させ、組織文化の形成や社員の自律性向上に結びつける手法である。

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買収先に半年間、毎日訪問して状況を把握した印刷会社社長

TOMAが買収側に求めるのは買収目的、長期ビジョン、真剣度、社員の雇用継続などである。ある印刷会社の社長は、買収した印刷会社に半年にわたって毎日訪問し、あえて意見を述べず、すべての郵便物をチェックして状況を把握した。「社長がこれだけ真剣に関わったので、このM&Aはシナジー効果を発揮した」(藤間氏)という。

一方、売り手側には、社員が健全に雇用され、業務に充実感を得られるような相手を選ぶように指導している。企業売却とは、言い換えれば社員を売却することでもある。「社長が売却益を得て楽になれた結果、これまでついてきた社員に理不尽な思いをさせてはならない」と藤間氏は強調するが、社員の処遇は永続性の根幹をなす。

TOMAは100年企業創りを前提にM&Aを手がけているのである。

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インタビュアー

KSG

眞藤 健一

経済ジャーナリスト

小野 貴史

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