(株)クラレ【3405】は、本年6月に公表している米国E.I. du Pont de Nemours and Company(以下「デュポン社」)からのビニルアセテート関連事業の譲受について、欧州におけるポリビニルブチラール(PVB)シート事業の一部を第三者に譲渡する事を独占禁止法上の許可条件とした上で、欧州当局の承認を既に取得していたが、今回、クラレは、米国ニュージャージー州で化学・製薬業における株式投資を手掛けるGVC Holdings,Incの子会社であるGVC S.Aに、ポリビニルブチラール(PVB)シート事業の一部を譲渡する事に合意したと発表した。
一般的に、ポリビニルブチラール(PVB)は、接着性や多くの有機溶剤への溶解性や他の樹脂との相溶性にも優れており、安全ガラスの中間膜はもとより、各種セラミックス用のバインダー、塗料・インク用のバインダー、分散剤などの用途に幅広く用いられている。
機能樹脂、化学品、人工皮革、合成繊維、光学関連製などの製造販売を手掛ける国内大手化学メーカーのクラレは、ルクセンブルクに本社を置き、欧州企業の管理および運営を行っているCVC S.Aに対し、ポリビニルブチラール(PVB)の事業の一部を譲渡する。
売却額は約16億円(2百万ユーロ)としているが、最終的な価額は、譲渡実行日の減預金、負債等を加減算して決定されるとし、株式譲渡完了日は、2015年1月を予定。