東北油化(株)と関連の東北化製事業(協)は、10月10日、盛岡地裁に破産申請をした。
申請代理人は太田秀栄弁護士(太田秀栄法律事務所)。
東北油化は昭和40年5月、廃棄される畜産残渣を使用した油脂製造業として操業を開始。商社経由で全国に販路を形成して業績を拡大し、ピーク時の昭和60年6月期の売上高は24億471万円をあげていたが、収益面は燃料価格などの変動に大きく左右され、売上高は需要の減少などで伸び悩んでいた。
平成23年3月期の売上高は12億2627万円にとどまり、費用負担の増加から1億5500万円の赤字を計上し債務超過に転落。
関連会社の東北化製事業(協)の組合員は東北油化を含めた数社で構成されており、BSE問題以降は東北油化が行っていた製造加工部門を受託する形で操業していた。受注の約80%が東北油化からの加工委託であり、26年3月期は売上高3億4700万円に対し、3014万円の赤字を計上する形となった。
両社の操業に関しては、以前より環境問題を指摘する声があった。今年8月に奥州市から操業停止含めた改善勧告が出され、10月1日にも同市から市悪臭公害防止条例に基づく2度目となる改善命令を受ける。その後10月3日、岩手県から水質汚濁防止法に基づき一部施設の使用停止等の行政処分を受け、10月10日、全従業員50名を解雇し今回の措置に至った。
東京商工リサーチによると、負債総額は、東北油化が8億4528万円、東北化製事業が1億4228万円、2社合計9億8756万円の見通し。