長崎出版(株)は、8月22日に東京地裁へ自己破産を申請し、25日に破産手続き開始決定を受けた。破産管財人は、新保義隆弁護士(新保法律事務所)。長崎出版を傘下に収めるドレミファ(株)他3社も同じく破産手続きに入る。
昭和50年設立以来、絵本や観察ガイドブックなど児童書のほか、料理、旅、エッセイ、健康などの出版を手がけてきたが、「こびとづかん」シリーズがキモカワキャラとして大ヒットし、2007年4月期に約1億1000万円だった年売上高は、2013年4月期には約16億2300万円にまで拡大した。
しかし長崎出版は、グループ会社を相次いで設立したり、古着ショップを全国展開する企業を買収したり、代表を就任後まもなくその職を退くなどトラブルを抱えていた。そうしたことから、「こびとづかん」シリーズの扱いを中止する事態にまで発展。
今年1月頃より実質的に営業を停止し、取引先への支払いが滞るなど事業・資金ともに悪化していた。
ドレミファは広告制作会社で、2012年9月期には売上高約3億7千万円をあげていた。しかし、グループ企業を束ねる目的で同年年10月、持株会社として(株)ドレミファホールディングスを設立し、事業の多角化を進めようとしたが、長崎出版をはじめとするグループ企業の経営不振から事業の継続が困難となり、グループ全体での破産手続きに至った。
東京商工リサーチ及び帝国データバンクによると負債総額は、長崎出版が債権者158名に対し12億1099万円、ドレミファが債権者230名に対し3億8195万円で、その他関連3社を加えた5社の負債合計は17億4001万円の見通し。
なお、現在、「こびとづかん」シリーズは(株)ロクリン社が出版しており、今後も同シリーズの展開を続けていく予定となっている。