総合リースのオリックス（株）【8591】は、経営再建中の金型大手（株）アーク【7873】を買収し、アークや地域支援機構と合意する。 買収額は150億円程度になる見通しで、官民ファンドの地域経済活性化支援機構保有する優先株を普通株に転換しオリックスが買い取るため、アークの普通株式を１株あたり５５円で（ＴＯＢ）する。
アークは、コンピューターを使った立体形成技術を用いて、自動車や家電製品の試作品の製作を中心に業容を拡大していたが、２００８年のリーマン・ショック後、業績が悪化。11年に官民ファンドの地域支援機構に支援を要請し、機構が90億円を出資して再建していた。メーカーが新製品を作る際にデザインや試作品づくり、そして量産までを一貫して行える体制を備えているのが特長で、世界の主要な自動車メーカーとも取引関係がある。
金型は、ものづくりの根幹とも言われ、タイの企業が高い技術力を持つ日本の金型メーカーを買収する事例があるが、今回は、技術の流出を避けるためにオリックスが支援に乗り出したものとみられ、世界的に事業を拡大できるかが注目される。