三菱重工業(株)【7011】と独シーメンスは、仏アルストムのエネルギー部門の共同買収案を発表した。アルストムがフランスの大手上場企業として、現在の事業の大部分を保持するとともに、その持続性を向上させ、エネルギーと輸送のグローバルプレイヤーとしての地位と財務基盤を強化することが目的。
三菱重工はアルストムと広範囲にわたる事業提携を行い、アルストムの蒸気および原子力タービン事業の40%、同送配電機器事業の20%、同水力発電システム事業の20%を取得し、3つの合弁事業を開始。これらの合弁事業に関連し、31億ユーロを投入する。また、仏ブイグ(Bouygues SA)からアルストムの株式を最大10%取得し、同社の安定的長期株主となる。
シーメンスはアルストムのガス発電システム事業すべてを39億ユーロで取得し、移管された事業で、仏・独では3年間の雇用を保証する。シーメンスはフランスにコンバインドガスサービス事業の欧州本部を設置する。
アルストムをめぐっては、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が同社の全エネルギー事業を124億ユーロで買収することを提案している。GE買収案は今月23日が期限で、アルストムをめぐる買収合戦は今週ヤマ場を迎える。