住友商事【8053】は、ウクライナの総合農業資材販社であるSpectr-AgroおよびSpectr-Agrotechnika(以下、2社を総称して「スペクター」)の株式51%を取得し、ウクライナでの農業資材直販事業に参入すると発表した。
スペクターは、ウクライナ全土の約3,500軒の農家向けに、農薬や種子、肥料などの農業資材を販売しており、2009年の設立以降、広範な商品ラインナップを用意するだけでなく、各農家への質の高い営農指導などの機能提供を通じて農家の生産性向上に貢献し、2012年には農機販売も開始した。
ウクライナは、温暖な気候と肥沃な土壌に恵まれた自然環境が大きな特徴であり、日本の約7倍に当たる約3,300万ヘクタールの広大な耕地面積を有しており、穀物生産量は世界第7位で、小麦やトウモロコシの生産が盛んな世界有数の農業大国である。今後も作付面積の拡大が予想され、単位面積当たりの収量増加余地も大きいことから、将来的な農業資材需要の増大が見込まれている。
住友商事は、1960年代に農薬の輸出を開始し、90年代に入り東欧各国における農薬輸入販売事業に参入し、ウクライナにおいても99年よりサミット・アグロ・ウクライナ(以下「SAU社)を展開しており、現在では世界33か国で展開し、商材を高機能肥料や種子にも広げてきた。
住友商事は、スペクターの自社ブランド品開発や農業用機械の導入促進サポートなどを通じてスペクターのさらなる事業拡大に貢献し、5年以内に売上高250億円(約2倍)を目指し、今回の買収に至った。
■スペクター社会社概要
会社名:Spectr-Agro LLC、Spectr-Agrotechnika LLC
代表者:Volodymyr Lobach (General Manager)
所在地:ウクライナ国 キエフ州 オブーヒウ市
主要拠点:ウクライナ全土
資本金:約500万ドル