ガーゼなど医療用衛生材料最大手の川本産業【3604】は、中国の医療・衛生材料の製造販売会社である浙江川本衛生材料有限公司の持分を譲り受け、子会社化すると発表した。
取得価格は、日本円にして約6億2000万円。
これにより川本産業は、日本国内向け医療用ガーゼのシェア拡大の基盤を確保するとともに、中国国内での製品販売の拡大を図っていく。
川本産業は医療・衛生材料の総合サプライヤーとして、医療用ガーゼの分野において国内トップクラスのシェアを築いてきている。川本産業は、浙江川本衛生材料有限公司を医療用ガーゼの主要調達先として位置付けており、浙江川本衛生材料有限公司が生産する日本向けガーゼ製品の総量を川本産業が仕入れる契約を締結している。川本産業と浙江川本衛生材料有限公司、及びその親会社である上海川本衛生材料銷售有限公司との取引は18年に及び、重要な事業パートナーとして緊密な協力を重ねてきた。
日本国内のガーゼ市場は、国による医療費適正化計画の推進を背景とした医療機関のコスト削減要求の影響で価格競争が激化しているものの、市場規模は今後も安定的に推移するものと見込んでおり、一方で、川本産業は平成28年3月期に実施した一部滅菌製品の自主回収による影響から、ガーゼ製品のシェア低下に直面している。 このような中、川本産業と浙江川本衛生材料有限公司とは、川本産業大阪工場におけるガーゼ関連の生産工程と浙江川本衛生材料有限公司の生産工程の一体化も視野に入れた生産体制見直しにより競争力の強化を図ることが、シェア拡大に向けた重要な施策であるとの認識で一致し、さらに、相互の関係を強化し、機動的な事業判断を実現するために経営の一体化が必要であるとの認識に至り、子会社化することで合意した。 これにより、川本産業は日本国内向け医療用ガーゼの内製化を実現し、コスト競争力の強化と品質の向上を図っていき、さらに、中国で今後の需要拡大が見込まれる高付加価値な医療衛生材料を中国国内にも拡販し、川本産業の海外事業展開のスピードアップを実現していく。