日本株主軸の独立系投資顧問のスパークス・グループ【8739】は、2015年11月に設立した「未来創生ファンド」が、分解1mを実現する世界最軽量の地球観測用小型レーダー(SAR、合成開口レーダー)衛星の開発に取り組むQPS研究所に対する投資(7億5千万円)を実行したと発表した。調達資金は、衛星打ち上げを含めた研究開発の費用に充当される。
■投資先企業の概要
QPSは、九州大学での研究成果をもとに小型人工衛星の研究・開発を行うベンチャー企業として2005年に創業。QPSが今回開発した小型SARアンテナは、昼夜・天候に関係なく観測でき、マイクロ波解析で対象物の詳細情報が取得でき、防災、防衛、環境調査など様々な分野での活用が期待されるSAR衛星の小型化に寄与する。QPSは、将来的には、小型SAR衛星を多数打ち上げることで、「いつでもすぐに地球観測ができる」先進的な社会インフラ構築を目指している。
■「未来創生ファンド」の概要
本ファンドはスパークス・グループを運営者とし、トヨタ自動車、三井住友銀行を加えた3社による総額約135億円の出資により、2015年11月より運用を開始。2017年5月末時点では、上記3社を加えた計20社からの出資を受けている。「知能化技術」「ロボティクス」「水素社会実現に資する技術」を中核技術と位置づけ、それらの分野の革新技術を持つ企業、またはプロジェクトを対象に投資を行う。なお、2017年9月末時点での運用額は、367億円で米国、英国、イスラエル、そして日本の約30社に投資している。