化粧品国内大手の資生堂【4911】は、連結子会社である資生堂医理化テクノロジーの株式および資生堂が保有するクロマトグラフィー事業※1関連資産を、基礎化学品の大阪ソーダ【4046】に譲渡すると発表した。
資生堂グループは「VISION 2020」の実現に向け、事業ポートフォリオの見直しを行っており、経営資源の投下先を主力事業に絞り込む中で、クロマトグラフィー事業を行う医理化テクノロジー社の株式等を譲渡することとした。
なお、本取引は資生堂が有するクロマトグラフィー事業に関連する権利義務等を、会社分割(吸収分割)の方法により医理化テクノロジー社に承継させた上で、医理化テクノロジー社の株式を大阪ソーダ社に譲渡する予定。会社分割(吸収分割)の詳細については、決定次第その内容を開示する。
大阪ソーダ社と資生堂が有するクロマトグラフィー関連事業が一体化することで、充填剤※2の原料生産からカラム※3および分析装置の販売まで、一貫したバリューチェーンの実現が期待できる。また、大阪ソーダ社の持つ海外販売網を活用することで、クロマトグラフィー事業のさらなる成長や価値向上が見込まれる。
※1 クロマトグラフィー事業・・資生堂は高感度の高速液体クロマトグラフ(分析化学やバイオサイエンスに幅広く活用される分析装置)や、化粧品開発で培った粉末表面処理技術を応用し、優れた分離特性と高い耐久性を持つ分析用カラム充填剤等を製造・販売している。
※2 充填剤・・・主にシリカゲルを原料とした分離性能を有する粒子。
※3 カラム・・・円筒状の管に充填剤を詰めたもの。