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富士フイルム、核酸創薬のボナックに5億円出資 共同研究も開始

富士フイルムと核酸創薬・医薬開発のボナックは、富士フイルムがボナックによる第三者割当増資を引き受け、5億円を出資する契約を締結したと発表した。

また、富士フイルムとボナックは、今回の資本提携にあわせて、核酸医薬品(*1)の探索を目的とした共同研究契約を締結。今後、両社の技術などを組み合わせて、従来の核酸医薬品よりも、有効性と安定性を高めた画期的な核酸医薬品の創出を目指す。

核酸医薬品は、DNA(*2)やRNA(*2)など遺伝情報を司る核酸を有効成分として用いる医薬品。有効成分が細胞内に入り、細胞内の核酸に働きかけて遺伝子異常による疾患を治療する作用機序を持ち、遺伝性疾患やがんなどの解決策となり得る次世代の医薬品として注目されている。しかし、核酸医薬品には、有効成分が生体内の血中で安定せず分解されること、細胞膜透過性が低く細胞内に取り込まれにくいことなどから、患部に十分な量の有効成分が届かないといった課題がある。

富士フイルムは、長年の写真フィルムの研究開発で培った、優れた乳化・ナノ分散技術、高度な化合物の合成力・設計力を医薬品の製剤技術に活用し、有効成分を効率的に患部に届けるリポソーム製剤(*3)の研究開発を進めている。

ボナックは、従来に比べ安全性と安定性を大きく向上させた独自構造のボナック核酸(*4)を開発したバイオベンチャーで、核酸医薬品の原料開発から創薬探索までを一貫体制で行っている。

富士フイルムとボナックは、今後、これまで蓄積した両社の技術や知見を組み合わせて、従来の核酸医薬品の課題を解決した画期的な新薬創出を目的に新規核酸医薬品のリポソーム製剤の研究開発を進める。

富士フイルムは、これまでのリポソーム製剤の研究開発で培った技術を活かすことで、核酸医薬品に最適なリポソームの開発を行い、血中での薬剤の安定性向上に取り組みます。さらに、細胞を用いた実験において、核酸医薬品の細胞内部への送達性や薬効、毒性の評価を実施する。

ボナックは、これまでの核酸医薬品に関する知見・ノウハウに基づき、新たな核酸の設計および開発を行います。加えて、動物モデル実験において、富士フイルムがリポソーム製剤化した医薬品の薬効・毒性評価を行う。

今後、富士フイルムとボナックは、新たな核酸医薬品の創出を通じて、アンメットメディカルニーズに対する新たな解決策を提供することを目指す。

*1 核酸とは、塩基や糖、リン酸から構成される生体高分子。核酸を有効成分として用いた医薬品を核酸医薬品という。
*2 DNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)は、核酸の一種で、遺伝情報を司る生体高分子。DNAは遺伝情報の継承と発現を担い、RNAは遺伝情報の一時的な処理の役割を担う。
*3 リポソームとは、細胞膜や生体膜の構成成分である有機物のリン脂質をカプセル状にしたもの。カプセルの内部に薬剤を内封したものをリポソーム製剤という。
*4 ボナックが新規で開発した核酸。従来の核酸医薬品で用いられていた二本鎖RNAを一本鎖構造体としたもの。さらにアミノ酸を含有させることで、安全性、安定性、生産性などを向上させている。

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