ダイナテックは、6月5日、事業を停止し、破産申請を三浦守孝弁護士ほかに一任した。現在、自己破産申請の準備に入っている。
ダイナテックは、1946年10月創業。従来はメッキ加工を主力としていたが、電子・電気機器などの表面処理(真空蒸着加工、光学薄膜蒸着加工など)にウェイトを移すとともに、2000年代には携帯電話向けカメラモジュールの電磁波シールド事業を主目的に中国に進出、天津・シンセンに拠点を構え、2008年3月期には年売上高41億7700万円を売り上げていた。
しかし、リーマン・ショックにより受注環境が悪化、加えて、スマートフォンの普及に伴いダイナテックが手掛ける携帯電話向けの受注が減少、2012年3月期以降の売上高は20億円を割り込み赤字に転落し、2013年3月期には債務超過に陥った。その後も状況は回復せず、厳しい経営を強いられていた。
2014年に天津、2015年にはシンセンの拠点を清算し、国内生産に特化したものの、中国進出に伴う多額の投資や清算コストが増大し財務が悪化。金融機関をはじめ各方面から支援を受ける一方、新規分野の開拓にも努めてきたが、年売上高は2015年3月期約6億6600万円、翌2016年同期約6億2300万円と下がり続け、近時も需要の減退、コストダウン要請が続くなど業績は回復せず、事業の継続を断念、今回の措置となった。
東京商工リサーチ及び帝国データバンクによると負債総額は、約33億円。