夢展望グループは、10代後半から30代の女性を主な顧客として、衣料品・靴・雑貨等のファッション関連商品をECサイトにおいて販売することをメインの事業としている。このメイン事業では、商品企画から製造・小売までを一貫して行うSPA(Speciality Store Retailer of Private Label Apparel)の手法を採っており、自社スタジオでの商品撮影、画像加工、WEBページへのアップも一貫して自社で行っている。最近においては、これまでのビジネスで培ったECサイトの構築・運営等に関するノウハウを活かして、親会社であるRIZAPグループのグループ会社に対してECの支援を行うビジネスも開始している。
トレセンテは、婚約指輪・結婚指輪等のブライダルジュエリーを中心とする宝飾品の販売を行っており、札幌から福岡までの主要都市において、単独店やファッションビル、ホテルなどに11店舗を展開。オリジナル意匠(デザイン)による「フローラ」(登録商標)ブランドのブライダルジュエリーを主力商品として、ブライダル専門誌等の媒体を主な広告手段としてビジネスを展開している。
夢展望グループにおいては、メイン事業である衣料品販売事業においては回復傾向にあるが、現在のアパレル業界の厳しい市況においては、メイン事業のみで夢展望グループの大規模な成長を実現するにはリスクや困難を伴うものと考え、他のビジネスへの参入も模索していた。
トレセンテは、前記のとおり、実店舗においてブライダルジュエリーを主に販売しているが、ECサイトにおいてもブライダルジュエリーやファッションアイテムとしてのファインジュエリーを販売している。また、近年、ブライダルジュエリー業界においては、WEBプロモーションによる集客活動が重要な販促手段になっており、トレセンテについては、ブライダル専門誌での広告に偏重した状況から脱しておらず、競合他社と比較しても、WEBを導線とした集客に改善の余地があった。
そこで、夢展望グループが有するWEB広告やECサイト運営のノウハウを活かすことにより、トレセンテの集客構造を改善し、顧客数の増大・売上の向上につながること、さらに、夢展望グループの約160万人の会員顧客の中には、その年齢層から未婚層の割合が多くトレセンテの顧客となりうる潜在顧客も多く含まれていると考えられ、相互送客等の施策の検討により、シナジー効果も発揮できることから今回の買収に至った。